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東京五輪が内定した巨人・菅野智之は“劣化”したのか? データが示す不安材料とは<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2021.06.17

日本のエースが3度目の離脱へ。五輪や今後にも影響が出そうな、スピードダウン問題とは。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

日本のエースが3度目の離脱へ。五輪や今後にも影響が出そうな、スピードダウン問題とは。写真:塚本凛平(THE DIGEST写真部)

“日本のエース”がどうもおかしい。

 6月16日、巨人は再調整のために菅野智之の登録を抹消した。この数時間前に東京オリンピックの侍ジャパン内定選手に選出されたばかりだった。

 2020年セ・リーグMVPの菅野は昨オフ、憧れのメジャー移籍を目指してポスティングシステムを利用したが、契約交渉が難航して残留を決断。この時は日本歴代最高額となる8億円(メジャー関係者では、金額はそれ以上との見方もある)で契約を更新し、改めて好成績を残して今季中に取得予定の海外FAで再挑戦するというのが、“あらすじ”だったはずだ。

 しかし、開幕戦で足を痛めて登録抹消されると、復帰後の5月7日ヤクルト戦では4回無失点に抑えながら、勝利投手がかった5回のマウンドに上がらずに降板。右ヒジの違和感を訴えて2度目の離脱となった。そして6月に戦線へ帰ってきたものの、2試合で再び離脱。直前の登板も3回途中4失点と、らしくない成績だった。

 2勝4敗で負け越しという印象の悪さはあれど、8先発(49.2回)で防御率2.72は並みの投手であれば上々の数字だろう。しかし、沢村賞&MVP2回の大投手と考えると、確かに物足りない。そして実際、データを見ていくと、“嫌な”兆候が見え隠れしている。
 
 今シーズンの菅野の投球を一言で表すと、「迫力不足」と言える。昨季は開幕13連勝という快挙を達成したが、その要因の一つには腕が先導する新フォームがあった。実際、ストレートが前年の平均146.7→149.0キロと大幅にスピードアップしたのをはじめ、スライダー、カットボール、シュート、フォークと、メインで使う球種は2キロ以上も高速化した。

 そしてこれに伴って、空振り率12.3%は自己ベストを更新。ストレートの被打率.200はセ・リーグ先発3位、スライダーの.162は4位、フォーク.135も4位と威力も抜群だった。

 ところが、今季は進化したはずのスピードが、ほぼ2キロ近く下降。ストレートは平均147.3キロ、シュートも148.3→146.1キロ、フォーク141.1→139.2キロとなるなど、曲がり幅を小さくしてストレートに近い軌道にしたいと語っていたカットボール以外の球速が急に落ち込んでいる。

 もちろん、球速が下がっていても、威力が維持できていれば問題はない。しかし、空振り率もほぼ一様に下降していて、主に扱う球種で被打率が前年よりいいのはスライダー(被打率.122)しかない。奪三振率6.89もキャリアワースト2位に沈んでいて、「球威が劣化」している傾向が見て取れる。

 それでも、与四球率1.99という制球力はさすがであり、抜群のコントロールの良さで一流の数字を保つことができている。ただ、10月で32歳という年齢を考えると、“本格派”としてどこまで生き残れるかは不透明。ましてや、再びメジャーを目指すつもりであるならば、否応なく球威の陰りは気になるところ。

 再調整期間を経て、菅野は再び圧倒的なエースたる姿を、日本のエースたる姿を取り戻すことができるのだろうか。復帰後のピッチング、その「内容」には、巨人ファン関係なしに注目してみたい。

構成●SLUGGER編集部
※データ提供:データスタジアム(株)

【動画】菅野が今季初完投! まだまだ輝く力はあるはずだ
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