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大谷翔平の“伝家の宝刀”に殿堂入りの怪腕スモルツも唸る!「ボンズみたいなバッターと対戦する時には…」

THE DIGEST編集部

2021.06.25

多彩な変化球と巧みな投球術でMLB231勝を挙げたスモルツ(左)の目に、大谷(右)はどう映るのか。(C)Getty Images

多彩な変化球と巧みな投球術でMLB231勝を挙げたスモルツ(左)の目に、大谷(右)はどう映るのか。(C)Getty Images

“伝家の宝刀”は、強打の相手も寄せつけなかった。

 現地時間6月23日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は、本拠地で行なわれたサンフランシスコ・ジャイアンツ戦に「2番・投手」で先発。再三ピンチを背負いながらも、6回(105球)を投げて9奪三振1失点の好投をした。
【動画】魔球も冴える快投! 大谷翔平、最強ジャイアンツ打線から9奪三振の力投シーンはこちら!

 惜しくもチームは延長13回の末に3対9で敗れたが、大谷のピッチングは決して悪くはなかった。序盤こそ決め球の制球が甘くなるシーンが散見したが、最速98.7マイル(155.8キロ)のフォーシームとスプリットが冴え、強打のジャイアンツ打線を封じ込めた。

 そんな26歳のサムライ戦士が投じる“伝家の宝刀”には、MLB史に残る名投手も賛辞を惜しまない。試合後、リーグ公式番組『MLB Network』に出演したジョン・スモルツは、大谷が要所で投じたスプリットを「素晴らしい変化と落差だ」と絶賛した。

 かく言うスモルツもスプリットの使い手だった。彼が最盛期を迎えていた90年代には、ヒジへの負担と、それに伴う故障へのリスクから多投する投手が激減し、“絶滅危惧”とも揶揄されたボールだった。だが、MLB通算213勝と154セーブをマークしたレジェンドは、強打者たちを手玉に取る武器として投げ込み、投球の幅を広げた。
 
 そんなスモルツは、『MLB Network』で自身の経験に基づき、スプリットの重要性をこう説いている。

「あの変化球(スプリット)は、私を本当に楽にしてくれる球だった。感覚的に私は速球を投げるのと同じようにしてストレスもなく投げ込んでいたよ。そしたら本当に消えるようなボールになったんだ。とくに左利きの強打者、まさにバリー・ボンズみたいなバッターと対戦する時には有効だったね。あれは間違いなく打者を打ち取るためのユニークなツールだったし、私にとってはゲームチェンジャーとなる武器だった」

 まさに“魔球”と言える一球の酸いも甘いも知り尽くすスモルツ。だからこそ、先述のジャイアンツ戦までの被打率が.075という大谷のスプリットを手放しで称える。

「あれだけ同じスピードボールと軌道で出てくるとバッターは難しさを感じるはずだ。それとストライクゾーンからボールゾーンにコントロールができるのもいいし、落差も申し分ない。オオタニのような正確なスピードボールを持っていて、あのボールがあれば、大きな武器になる。素晴らしい球だ」

 大投手も高揚せずにはいられなかった大谷のスプリット。日々精度が高まっているようにみえる“伝家の宝刀”に、今後も注目したい。

構成●THE DIGEST編集部
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