メジャーリーグにおいて、スプリッターを投げるピッチャーは非常に少ない。決まれば絶対的な球種と言われている一方で、故障につながりやすいというのがその理由だ。そして現地時間6月23日、“絶滅危惧種”のボールを操る両巨頭が相まみえた。
ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は23日、本拠地で行なわれたサンフランシスコ・ジャイアンツ戦に「2番・投手」で先発出場。6安打2四球と再三ピンチを背負いながらも、6回を投げて9奪三振1失点の好投。チームはサヨナラのチャンスを何度も作りながら、延長13回の末に3対9で敗れて連敗となった。
ご存知の通り、大谷の決め球はスプリッター。この日までに記録していた73奪三振のうち、実に46個を伝家の宝刀で記録していて、被打率も.075と超優秀。そして、ジャイアンツ側の先発投手だったケビン・ゴーズマンもまた、圧倒的なスプリッターを武器にする。
この球種で奪った70三振は大谷を上回るメジャー最多、被打率も.112。同じ軌道から投げる4シームは平均94.5マイル(平均152.1キロ)と抜群の速さではないものの、こちらも被打率.181と好成績。この日までの投手成績は89.2回を投げて8勝1敗、リーグベストの防御率1.51を記録している。
“魔球投手”対決。先述のように大谷は6回6安打1失点9奪三振だったのに対し、ゴーズマンは7回4安打1失点9奪三振。三振の内訳を見ると、大谷はスライダーで4個、4シームで3個、スプリッターで2個記録しているが、何とゴーズマンは全9三振ともスプリッター。そして「打者・大谷」は、3打数無安打2三振と完敗という結果に終わった。
試合後、大谷は同じ武器を持つ好投手の印象を訊かれると、「本当にすごいピッチャーで、スプリッターは僕が今まで見たことがない軌道だった」とお手上げの様子。そして、「スプリッターを投げる投手では一番すごいボールだった」と称賛の言葉を送ったのだった。
このスプリッター投手の対峙は、現地メディアでも注目されていた。スポーツ最大手メディア『ジ・アスレティック』のアンドリュー・バガリー記者は、「ケビン・ゴーズマンは打席でショウヘイ・オオタニのスプリッターを見ることができないが、オオタニは見ることができた。おそらく、自身が相手打者に与えてきたのと同じ衝撃を食らったはずだ」とコメント。
さらにTV放送局『NBC Sports』のアレックス・パプロビッチ氏はまず、第1打席に大谷がゴーズマンのスプリッターを見た後に険しい顔を浮かべた様子を紹介。そして、第2打席に5球連続スプリッターの連投で空振り三振に仕留められた姿から「世界最高の打者でさえノーチャンスだった」と、ジャイアンツ右腕の魔球の凄さを説明した。
14日からの1週間、大谷は「6戦6本塁打+1勝」という衝撃的な活躍で自身3度目の週間MVPを受賞した。そして迎えた強豪ジャイアンツ戦は、2試合連続ノーヒットと好投手の前に沈黙した。しかし、打席で結果を残せなかったものの、大谷の目は輝きを放っていた。凄いものを見たという、感動からだろうか。高い壁に跳ね返された経験を糧に、さらなる成長に期待したいところだ。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】大谷もお手上げ! ジャイアンツ右腕のエグすぎるスプリッターで空振り
ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は23日、本拠地で行なわれたサンフランシスコ・ジャイアンツ戦に「2番・投手」で先発出場。6安打2四球と再三ピンチを背負いながらも、6回を投げて9奪三振1失点の好投。チームはサヨナラのチャンスを何度も作りながら、延長13回の末に3対9で敗れて連敗となった。
ご存知の通り、大谷の決め球はスプリッター。この日までに記録していた73奪三振のうち、実に46個を伝家の宝刀で記録していて、被打率も.075と超優秀。そして、ジャイアンツ側の先発投手だったケビン・ゴーズマンもまた、圧倒的なスプリッターを武器にする。
この球種で奪った70三振は大谷を上回るメジャー最多、被打率も.112。同じ軌道から投げる4シームは平均94.5マイル(平均152.1キロ)と抜群の速さではないものの、こちらも被打率.181と好成績。この日までの投手成績は89.2回を投げて8勝1敗、リーグベストの防御率1.51を記録している。
“魔球投手”対決。先述のように大谷は6回6安打1失点9奪三振だったのに対し、ゴーズマンは7回4安打1失点9奪三振。三振の内訳を見ると、大谷はスライダーで4個、4シームで3個、スプリッターで2個記録しているが、何とゴーズマンは全9三振ともスプリッター。そして「打者・大谷」は、3打数無安打2三振と完敗という結果に終わった。
試合後、大谷は同じ武器を持つ好投手の印象を訊かれると、「本当にすごいピッチャーで、スプリッターは僕が今まで見たことがない軌道だった」とお手上げの様子。そして、「スプリッターを投げる投手では一番すごいボールだった」と称賛の言葉を送ったのだった。
このスプリッター投手の対峙は、現地メディアでも注目されていた。スポーツ最大手メディア『ジ・アスレティック』のアンドリュー・バガリー記者は、「ケビン・ゴーズマンは打席でショウヘイ・オオタニのスプリッターを見ることができないが、オオタニは見ることができた。おそらく、自身が相手打者に与えてきたのと同じ衝撃を食らったはずだ」とコメント。
さらにTV放送局『NBC Sports』のアレックス・パプロビッチ氏はまず、第1打席に大谷がゴーズマンのスプリッターを見た後に険しい顔を浮かべた様子を紹介。そして、第2打席に5球連続スプリッターの連投で空振り三振に仕留められた姿から「世界最高の打者でさえノーチャンスだった」と、ジャイアンツ右腕の魔球の凄さを説明した。
14日からの1週間、大谷は「6戦6本塁打+1勝」という衝撃的な活躍で自身3度目の週間MVPを受賞した。そして迎えた強豪ジャイアンツ戦は、2試合連続ノーヒットと好投手の前に沈黙した。しかし、打席で結果を残せなかったものの、大谷の目は輝きを放っていた。凄いものを見たという、感動からだろうか。高い壁に跳ね返された経験を糧に、さらなる成長に期待したいところだ。
構成●THE DIGEST編集部
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