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ナショナルズがシャーザーら主力を大放出!MLB史上初の“珍事”に現地記者も驚き「一つの時代の終わり」

THE DIGEST編集部

2021.07.30

オールスターで談笑するシャーザー(左)、ターナー(中央左)<br />
、シュワーバー(右)。ここから1ヵ月も経たないうちに、まさかチームからいなくなってしまうとは……。(C)Getty Images

オールスターで談笑するシャーザー(左)、ターナー(中央左)
、シュワーバー(右)。ここから1ヵ月も経たないうちに、まさかチームからいなくなってしまうとは……。(C)Getty Images

 トレード・デッドラインが間近に迫った現地時間7月29日、大規模なトレードを敢行したチームがあった。ただし、“買い手”ではなく“売り手”の方。ワシントン・ナショナルズが何と主力を5人も放出したのだ。

 トレードに出したのはエースのマックス・シャーザー、遊撃手トレイ・ターナー(ともにドジャースへ)、主砲のカイル・シュワーバー(→レッドソックス)、クローザーのブラッド・ハンド(→ブルージェイズ)、そしてリリーバーのダニエル・ハドソン(→パドレス)である。

 シャーザー、ターナー、シュワーバーは今季オールスターにも出場した文句なしのスター選手。その年の球宴に出場した同一チームの3人がシーズン途中にトレード移籍するのは史上初のことだという。さらに、シャーザーとターナーにハドソンを加えた3人は、いずれも2019年の世界一に主力として貢献した選手でもある。それからたった2年でチームが跡形もなく解体しようとしていることには驚きの声が広がっている。

 スポーツ最大手メディア『The Atheletic』のブリット・ジローリ記者は自身のツイッターにて「ナショナルズは難しいことを実行している。2019年世界一チームを売り物に変えているんだ」というコメントとともに、自身が寄稿したコラムを紹介。ナショナルズが解体されていく様子を、「マイク・リゾーGMが『売り出し中』の看板を誇らしげに掲げている」と表現している。
 
 また、同記者がこの記事で示唆したところによれば、まだまだ”売り出し”は続くことが示唆されており、強打の正捕手のヤン・ゴームズ、一塁手のジョシュ・ベル、俊足好守のセンター、ビクター・ロブレスもトレードの俎上にあるという。トレードに出されないことが確実なのは、ホームラン・ダービーで大谷翔平(エンジェルス)を倒した22歳の天才打者、ホアン・ソトだけだとのこと。

『MASNスポーツ』のナショナルズ担当ライター、マーク・ザッカーマンは「受け入れがたいことだが、ナショナルズは“勝てるチーム”を作れなかったというのが現実だ」とツイート。チーム解体の動きを「ソトがFAになる2025年オフまでに、再び勝てるチームを作ることを目指している」と説明している。

 前述のジローリ記者はコラムの中で、ナショナルズの幹部に対して「一つの時代の終わりだと感じる」というテキストメッセージを送ったと話している。それに対する返事は「だが、これは新しい時代の始まりでもある」というもの。

 ナショナルズは4件のトレードで複数の有望株を獲得しており、特にドジャースから得た捕手のキーバート・ルイズ、投手のジョサイア・グレイは再建の核になり得るトップ・プロスペクト。ナショナルズがここからいかにチームを立て直していくかは、今後数年にわたって大きな見どころになるだろう。

構成●THE DIGEST編集部
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