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「いやぁ、本当に凄い」名将ベーカーが見抜いていた“ポテンシャル”。大谷翔平の投球改善を裏付ける数字とは?

THE DIGEST編集部

2021.08.14

ピッチングの安定感が増している大谷(右)。そのパフォーマンスはベーカー(左)の言葉を想起させた。(C)Getty Images

 大谷翔平の安定感が増している。

 現地時間8月12日、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は、本拠地で行なわれたトロント・ブルージェイズ戦に「1番・投手」で先発登板。6回(99球)を投げ、3安打2失点6奪三振の好投で今季7勝目を手にした。
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 前回のテキサス・レンジャーズ戦から中9日で先発マウンドに上がった背番号17だが、まさにエースのような堂々たる投球を披露。4回に2失点こそ喫したが、本塁打王を争うブラディミール・ゲレーロJr.から空振り三振を奪って要所を締め、アメリカン・リーグ最多本塁打数(173本)を誇る強打のブルージェイズ打線を封じた。

 6回で99球と普段よりも球数を擁してお役御免となった。それでも、5試合連続のクオリティースタートを達成し、先発として仕事は果たしたと言える。実際、本人も試合後の会見で「悪い時でも試合を作れているのはいいこと」と手応えを口にした。

 もっとも、大谷は夏場に入ってから文字通り絶好調だ。3勝を挙げた7月1日以降の4登板で、防御率も1.38とハイアベレージを記録。そしてなにより、9イニングあたりの与四球数を表す「BB/9」が格段に向上している。

 このデータは、1.50で非常に優秀とされるものなのだが、7月1日以降の大谷は、0.35と研ぎ澄まされた数字を残している。一概に比較はできないが、シーズンが開幕した4月から6月末までの数字は5.25。変化は歴然だ。
 
 ここで思い出したい名将の言葉がある。それは大谷がマウンドに上がった5月11日のエンジェルス戦を終えた際に、ヒューストン・アストロズの指揮官ダスティー・ベイカーが放ったコメントだ。

「オオタニは95~99マイル(152.9~159.3キロ)の速球を投げていて、低めや外角に自由自在に決めていた。最高のコマンド(狙ったところに投げる能力)とコントロールの持ち主だ。いやぁ、本当に凄いアスリートだよ」

 百戦錬磨の名将ベイカーは、いち早く27歳のサムライが持つコントロール面の"能力向上"を見抜いていたのだ。

 安定感を増し、とりわけ夏場に入ってから投球のレベルが一段上がった印象の大谷。制球力の向上が要因のひとつと言えそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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