２年ぶりの開催となった夏の甲子園。プロのスカウトも注目する選手も多いが、その中でも見事な活躍を見せた投手、野手を毎日その日のMVPとして選出する。大会第12日目は以下の選手となった。

■投手MVP
代木大和（明徳義塾３年）：　９回　被安打３　０失点　６奪三振　２四球

　１回戦で17得点を叩き出した松商学園の強力打線を見事に封じ、文句なしの選出となった。

　これまでの２試合は本来の持ち味である制球力が発揮できず、不安定な投球内容。試合中盤で吉村優聖歩（２年）に継投するのがパターンとなっていたが、試合後に馬淵史郎監督が「今日は良かった」とコメントしたように、この日は終始安定したピッチングを披露した。

　ストレートは130キロ台中盤とそれほスピードがあるわけではないが、内角いっぱいを突くコントロールは見事。さらに打者の手元でわずかに変化するカットボールでバットの芯を外し、チェンジアップで上手く緩急をつけるなど最後まで的を絞らせなかった。また、５番を打つバッティングでも第１打席で先制のホームランを放つなど、まさに独り舞台の大活躍だった。
  ■野手MVP
西川侑志（神戸国際大付３年／４番・捕手）：６打席５打数４安打１本塁打３打点

　攻守にわたる大活躍で、チームを夏の甲子園では初のベスト８進出に導いた。２点を追う２回の第1打席には緩い変化球に対応して反撃の狼煙となるレフトへのソロホームラン。その後も２本のヒットを放ち、１点を勝ち越された延長10回の第６打席では、劇的な逆転サヨナラタイムリーで試合を決めた。

　この日放った４安打は全てレフト方向だったが、決して強引なバッティングではなく、バランスの良いスウィングでスムーズに引っ張ることができている。また、捕手としても３人の投手の良さをそれぞれ引き出そうとするなど、配球面での工夫も見られた。準々決勝は明日行われるため、投手陣のやりくりは厳しくなりそうなだけに、攻守両面でチームを牽引する活躍に期待したい。

構成●THE DIGEST編集部

【毎日更新！夏の甲子園PHOTO】2年ぶりに開催された夏の甲子園のベストショットを一挙公開！