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MLB

「できるだけアウトにしたいが」大谷翔平に“今季4被弾”のヤンキース正捕手は白旗ムード「間違いなく印象的なシーズン」

THE DIGEST編集部

2021.08.31

ヤンキース戦で今季4ホームランの大谷(右)。抑えるのに苦労しているサンチェス(左)はその責任を感じて…。(C)Getty Images

ヤンキース戦で今季4ホームランの大谷(右)。抑えるのに苦労しているサンチェス(左)はその責任を感じて…。(C)Getty Images

 さすがにこれだけ打たれると、頭を抱えたくなるのも当然だろう。ニューヨーク・ヤンキースの正捕手、ゲリー・サンチェスの姿には“苦しみ”が漂っていた。

 ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は現地時間8月30日、本拠地で行なわれたヤンキース戦に「2番・DH」で先発出場。5回の第3打席に勝ち越しとなる今季42号本塁打を放ち勝利に貢献した。

 ジョー・マッドン監督も「あんな打球は見たことない」と驚愕した一撃。それまでの2打席はやや不可解な判定もあって連続三振に終わり、チームも3点差を追いつかれて5対5という嫌な状況の中、5回裏の先頭打者として大谷は打席に向かった。対するは7月までチームメイトだったアンドリュー・ヒーニー。カウント1ー1からの甘いカーブを捉えた打球は、誰もが確信する完璧な一発で右翼スタンドへ消えていった。

【動画】大谷はドヤ顔! ファンは総立ち!臨場感あふれる42号の“特別”シーンがこれだ

 結果的にその後に追いつかれたものの、ズルズルと行きそうな流れを大谷の本塁打が変えたのは間違いないことだ。もっとも、エンジェルスは65勝67敗の地区4位、ワイルドカードからも9.5ゲーム差と、この秋も大舞台に立つ可能性は非常に低い。一方でヤンキースは別だ。8月は13連勝を記録して一気に浮上し、現在はワイルドカード1位。同地区首位のタンパベイ・レイズを追うために、一戦必勝を掲げて戦っている。

 だからこそ“弱小”エンジェルスをしっかり叩きたかったのだが7対8と惜敗。今季通算でも2勝3敗と負け越している。そして、この流れを生み出しているのは他でもない、大谷だ。

 最初の顔合わせとなった6月28日のヤンキー・スタジアムでの一戦。大谷は相手ファンのブーイングを浴びながらも、初回の第1打席で先制となる今季26号を放って勝利に貢献。翌日は敗れはしたものの2打席連発。そしてこの日も大事な場面で42号アーチを見舞っているのだ。

 ヤンキースだけでなく、大谷はア・リーグ東地区相手に計17本を量産。別地区に所属しながらも、完全にカモにしている。だからこそ、試合後にこれだけ本塁打を献上していることを問われたヤンキース正捕手は、ばつの悪い表情を浮かべながらこう語った。

「投手もやりながらこの活躍。間違いなく印象的なシーズンだ」とサンチェス。「でも、彼をできる限りアウトにすることが僕の仕事でもあるんだけどね……」と力なく答えるしかなかった。自身がマスクをかぶった試合で計4被弾。その責任を感じているようだった。

 このカードは残り2試合。大谷はお得意様相手に本塁打数を増やすのか。それとも、ヤンキースが天敵を封じ込めて優勝争いに向けた大事な勝利を手にするのか。明日以降の対戦も注目は続きそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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