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早いカウントの速球系と低めのスライダーが勝負を分ける? ダルビッシュ有vs大谷翔平の注目ポイント<SLUGGER>

藤原彬

2021.09.08

明日、ダルビッシュ(左)と大谷(右)の対決は実現するだろうか。(C)Getty Images

明日、ダルビッシュ(左)と大谷(右)の対決は実現するだろうか。(C)Getty Images

 待ち望まれた対戦がついに実現するかもしれない。現地時間9月8日、ダルビッシュ有(サンディエゴ・パドレス)が大谷翔平を擁するロサンゼルス・エンジェルス戦に先発する。

 ともに日本ハム出身の2人。ダルビッシュは二刀流をこなす後輩を「体にかかっている負担は2倍以上」と気にかけ、背番号11を継承した大谷にとっては「一番好きなピッチャーだった」と語る。

 大谷はベンチスタートが濃厚だが、対戦が実現したらどのような結果になるか。今季の2人の傾向からポイントを探る。

 ダルビッシュは現在、自己ワーストの7連敗中。今季の被打率.222、四球率5.6%、被ハードヒット率33.8%で、サイ・ヤング賞投票2位に入った昨季(.210/4.7%、34.2%)と比較しても遜色ないが、主軸となっているカッターが被打率.331、9被本塁打と打ち込まれている。

 2球目まではカッターを含む速球系が全体の半分を占めるが、大谷は速球系に今季21本塁打と滅法強い。特に、真ん中の高さに入ったボールは、内角外角関係なくスタンドに放り込んでいる。その上、浅いカウントでは以下のように驚異的な打率を記録している。
ボール-ストライク
0-0 .400(8本)
1-0 .407(5本)
0-1 .567(5本)
1-1 .390(5本)

 ダルビッシュとすれば、早いカウントでのコントロールミスだけは絶対に避けたいところだろう。早いカウントでは強い大谷だが、2ストライク後はわずか打率.144。特に後半戦は三振率も35.4%とかなり高くなっている。とはいえ、ホームランも15本放っているため、35歳の右腕も決して油断はできない。

 注目したいのはダルビッシュのスライダーだ。多彩な球種の中でも、渡米後最も多くの三振を稼いでいる決め球である。ただし、空振り/スウィング率は昨季の40.3%→23.0%と大幅にダウンしている。

 一方、大谷が後半戦に放った10本塁打のうち、6本がスライダーを叩いたもの。ただ、低めのボールゾーンでは空振りも多い。このゾーンで、ダルビッシュのスライダーは通算被打率.053、1被本塁打と絶対的な威力を発揮してきた。今回の勝負でも、いかに低めへ投げ切れるかがポイントになるだろう。

 大谷が出塁した場合は盗塁にも注目だ。ダルビッシュは今季14盗塁を許し、通算阻止率もわずか11.4%と低い。大谷が出塁すれば、塁上の攻防でも楽しませてくれそうだ。

文●藤原彬

著者プロフィール
ふじわら・あきら/1984年生まれ。『SLUGGER』編集部に2014年から3年在籍し、現在はユーティリティとして編集・執筆・校正に携わる。ツイッターIDは@Struggler_AKIRA。
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