この男はシーズンが終わっても“引っ張りだこ”のようだ。 

　現地時間10月26日、史上15度目となる『コミッショナー特別表彰』が発表され、ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平が受賞した。歴史的な偉業などを達成した個人や団体に贈られる同賞は、日本人選手では2004年にシーズン最多安打記録を更新したイチローも受賞した権威あるもので、今季の大谷が成し遂げたことが真に認められた証だろう。 

　そして、また一つ新たな“偉業”が翌日に加わることになった。野球とは関係のないプロバスケットボールNBAの試合での一幕だ。 

　ポートランド・トレイルブレイザーズ対メンフィス・グリズリーズの試合前、アウェーのＴＶ番組『Bally Sports: Grizzlies』では３人の名物トリオが軽妙なトークで試合の分析などを行なっていた。その中で「最もＴＶで見たいアスリートは誰か」というテーマが話題となったのだ。

【動画】46号一挙振り返り！歴史を築いた大谷の本塁打をチェック 　一人は、アメリカン・フットボールNFLの球史に残るＱＢ、アーロン・ロジャース（グリーンベイ・パッカーズ）を指名。もう一人は、同じくNFLの最強ＲＢと呼び声高いデリック・ヘンリー（テネシー・タイタンズ）の名前を挙げた。 そして、司会のロブ・フィッシャーが「最も見たいアスリート」として選んだのは、他でもない大谷だった。

「ベーブ・ルース以来、誰も彼が今季成し遂げたことを見たことがないんだ！」と熱弁し始めたフィッシャー。「45本塁打を打って（正確には46本）100打点、いやいや笑っちゃうんだが、投手として９勝２敗、防御率3.18。打って投げて、何でもできるんだ」と、他の２人がやや引くくらいに誇らしげに語ったのだった。 

　大谷の衝撃は球界にとどまった話ではないことが、このエピソードだけでもうかがい知れるだろう。シーズン中には、それこそNBAの大スターであるケビン・デュラント（ブルックリン・ネッツ）が大谷ファンであることを公言し、ヤンキー・スタジアムに観戦しに来たこともあった。そして、NFL屈指のフィジカル・モンスターであるJJ・ワット（アリゾナ・カーディナルス）も大谷のすごさを何度も口にしていた。 

　改めて、大谷が『コミッショナー特別表彰』に選出されたことは、必然だったのかもしれない。 

構成●THE DIGEST編集部 

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