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「謎の日本人に価値を見出すべき!」レンジャーズ地元誌が鈴木誠也の獲得を懇願!「過去2年はつまらないことばかり」

THE DIGEST編集部

2021.11.12

メジャー挑戦に注目が集まる鈴木。27歳のサムライにレンジャーズ地元メディアも熱視線を送る。(C)THE DIGEST

 今年もMLBのFA市場には、大物がズラリと居並ぶ。カルロス・コレア、コーリー・シーガー、フレディ・フリーマン、マーカス・セミエン、ニック・カステヤノスらの動向が注目を集めている。

 まさに多士済々のMLBの移籍市場にあって、ひとりの日本人がにわかに存在感を強めている。広島の主砲、鈴木誠也だ。

 もっとも本人も広島もポスティングシステムの行使を発表したわけではない。それでも現地時間11月4日、MLB公式のジョン・モロシ記者が鈴木のメジャー挑戦をすっぱ抜くと、瞬く間にその名は球界全体でトレンドワードとなった。

 今季の鈴木は史上3人目となる6年連続での「打率3割&25本塁打」を達成。その実績を考えれば、当然とも言える注目ぶりだが、すでに水面下ではMLB10球団以上による争奪戦を繰り広げているとも囁かれる。

 とりわけ熱心と目されるのが、テキサス・レンジャーズだ。今季はアメリカン・リーグ西地区で首位から35ゲーム差の最下位に沈んだチームは、目下、再建の真っ只中にあり、今オフは大型補強に舵を切ると見られている。

 レンジャーズの鈴木獲得は地元メディアでも小さくないトピックとなっている。そのなかで月刊誌『D Magazine』は、「いまだ謎の多いセイヤ・スズキという日本人が、この田舎町にやってきた場合、いったいなにができるのか。それは誰にも分からない」と正直に打ち明け、次のように論じた。

「モロシ記者の情報は信ぴょう性が高いと評判だ。そんな彼が、レンジャーズのスズキへの強い関心を伝えている。無視できない情報だろう。我々が調べたところでは、彼は世界で2番目に優れたリーグと言われる日本で8.4WAR(打撃、走塁、守備、投球を総合的に評価して選手の貢献度を表す指標)を記録し、守備も走塁でも違いを生むようだ。

 しかし、現状では誰もスズキがどこまでやれるかを把握しきれていない。そんな彼の獲得はまさに中身が分からない箱に手を入れるようなもの。おそらくメッツからFAとなったマイケル・コンフォルトに賭けたほうが無難ではある」
 
 それでも、2年連続地区最下位に低迷する地元球団の状況を踏まえ、同誌は「だからこそ、だ。過酷な現状だからこそ無難な道ではなく、謎も多いスズキのような選手に価値を見出すべきだ」と訴えた。

「近年のレンジャーズには、希望となるようなニュースが何年もなかった。ジョーイ・ギャロ(現ヤンキース)という少しの"発散素材"はあったが、試合を含めたあらゆる物事が安全かつ退屈だった。特に過去2年間は、言葉では言い表せないほどつまらない話題ばかりだった。いまだ成長する可能性がある若いスズキは、チームだけでなく、球界屈指のスターになるポテンシャルも持っている。あまりに退屈だった数年間を思えば、十二分に投資する価値があると言える」

 はたして、鈴木は熱きカウボーイたちが集うテキサスを新天地に選ぶのか。12月5日のポスティング申請期間までの決断が注目される。

構成●THE DIGEST編集部

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