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エンジェルス移籍の剛腕シンダーガードは諸刃の剣!? 大谷翔平よりも速いハードボーラーが抱える“リスク”とは

THE DIGEST編集部

2021.11.18

球界屈指の剛腕であるシンダーガード。エンジェルスにとっては待望の先発投手だが、彼には小さくないリスクが伴う。(C)Getty Images

球界屈指の剛腕であるシンダーガード。エンジェルスにとっては待望の先発投手だが、彼には小さくないリスクが伴う。(C)Getty Images

 ロサンゼルス・エンジェルスが待望(?)の補強を敢行した。現地時間11月16日、ニューヨーク・メッツからフリー・エージェント(FA)となったノア・シンダーガードと1年2100万ドル(約24億円)の契約を締結したのだ。
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 投手再建を目ざしているエンジェルスにとって、重要なテコ入れとなったのは間違いない。昨シーズンのレギュラーシーズンにおいて先発防御率が4.78(チーム防御率は4.68)と散々たる結果に終わったチームは、今オフの「最重要課題」として、ローテーションの柱になり得る実力派投手の獲得が急務となっていた。

 そんななかでやってきた29歳は、球界でも指折りのポテンシャルを持つ剛腕だ。大谷より1.0マイルも速い、最速102.1マイル(約164.3キロ)の剛速球を軸にしたピッチングが特徴で、キャリアイヤーとなった2016年には14勝(9敗)、防御率2.60(ナ・リーグ3位)、218奪三振(同4位タイ)で、サイ・ヤング賞候補にも挙がった。

 今季9勝を挙げた大谷翔平との共闘に期待が膨らむ一方で、不安要素がまったくないわけではない。というのも、シンダーガードはここ2年の登板回数がわずか2度しかないのだ。

 2020年3月に右肘の靭帯再建手術(通称トミー・ジョン手術)を受けた右腕は、同シーズンをリハビリに費やして全休。今年9月にようやく復帰を果たしたが、2度の登板はいずれも1イニングのみで、計26球しか投げていないのである。
 
 トミー・ジョン手術から完全復活できるか否か。そのリスクを考慮すれば、現在のシンダーガードは諸刃の剣とも言える。実際、MLB公式サイトは今回の移籍に際した記事内で「健康なときであれば、彼は攻略が最も難しい投手のひとりである」と前置きしている。

 無論、FA市場における単年ベースで史上最高額となる契約を締結したエンジェルスは、周囲の不安を意に介していない。ペリー・ミナシアンGMは、現地時間11月17日の会見で、こう論じている。

「彼の獲得にリスクがあることは分かっている。だが、賭けるに値するリスクだ。コンディションさえ問題なければ、彼はこの世界で有数の投手のひとりだからね。そして彼自身もここで復活できるかに賭けている」

 大谷とともにチームを支える大黒柱として君臨できるのか。往年の名投手ノーラン・ライアンとも比較される剛腕の復活が待たれる。

構成●THE DIGEST編集部

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