ストーブリーグの“主役”に一躍、レンジャーズが台頭した格好だ。

　現地11月29日、ドジャースからＦＡとなっていた大型遊撃手のコリー・シーガーが10年３億2500万ドル（約369億円）でレンジャーズとの契約に合意したことを、『ESPN』など各種メディアが報じている。

　レンジャーズは前日にも、今季二塁手歴代最多45本塁打を放ったマーカス・セミエンと７年１億7500万ドル（約193億円）、先発右腕のジョン・グレイと４年5600万ドル（約64億円）で契約しており、このオフは完全に勝負モード全開。ア・リーグ西地区最下位の102敗、勝率メジャーワースト４位に沈んだ“弱小球団”からの脱却を目指している。
  　レンジャーズが新たに10年契約を結んだシーガーは2015年にメジャーデビュー。翌年に打率.308、26本塁打の活躍で新人王＆MVP投票３位とブレイクすると、以降も猛打を武器に活躍し、シルバースラッガー賞を２回受賞した。昨年は、リーグ優勝決定シリーズ＆ワールドシリーズでダブルMVPに選ばれる活躍で、ドジャースを悲願の世界一に導いている。

　シーガーにとって、新たなホームグラウンドとなるグローブライフ・フィールドは、20年のポストシーズンで７本塁打を叩き込んだ相性のいい球場でもあり、このこともレンジャーズ入団を後押ししたのかもしれない（注・昨年のポストシーズンはコロナ禍とあり、中立地のレンジャーズ本拠地で行われた）。

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　シーガーの契約合意を最速で報じた『ESPN』のジェフ・パッサンが「わずか24時間で500億ドルを投じた」と驚きのコメントを残したように、レンジャーズのこのオフの“本気モード”はすさまじいものがある。もちろん、長期的にはリスクも孕んでいるが、この怒涛の大型補強で「球界最高の二遊間が誕生した」（パッサン）のも事実。来シーズンのレンジャーズが楽しみな球団になったことは間違いない。

構成●SLUGGER編集部