今季の阪神タイガースは、開幕から怒涛の快進撃を見せながら終盤戦で失速。惜しくも16年ぶりのセ・リーグ制覇を逃した。すでに矢野燿大監督の続投も決まった来シーズンは、まさに背水の4年目となる。
【動画】唸るストレート! ケラーが強打者フリーマンから奪った三振シーン
しかし、そんな阪神にとって逆風ともいうべき知らせが舞い込んだ。11月30日に登録期限を迎えていた保留者名簿からロベルト・スアレスが外れ、メジャー挑戦が決定的となったのだ。
2019年に阪神に入団したスアレスは、最速160キロの剛速球を軸に2年連セーブ王となるなど、絶対的な守護神として君臨。矢野監督が「スアちゃんに何が起こっても受け止めるしかない。それぐらいの信頼があった」と吐露するほど戦力だけに退団は文字通りの痛手だ。
すでにサンディエゴ・パドレスやボストン・レッドソックスとの交渉が囁かれるスアレス。ただ、彼が阪神と締結した2年契約の2年目にはオプトアウトの条項が付帯しており、メジャー挑戦による退団は致し方がないとも言える。
ゆえに嘆いてばかりもいられない。すでに阪神は新たな助っ人クローザーの獲得に動き出している。そのなかで最有力候補とされているのが、ピッツバーグ・パイレーツに所属したカイル・ケラーだ。
では、ケラーとはいかなる投手なのか。少し分析してみたい。
現在28歳の右腕の投球スタイルは実にシンプルと言える。というのも、オーソドックスなフォームから投げ下ろされる球種が、最速157キロの4シームと縦にドロップするカーブしかないのである。実際、今季のMLBにおける投球割合もそのふたつのみだ。
だが、2球種だけでも十分に通用する実績はある。今年のアトランタ・ブレーブス戦では、昨季ナ・リーグMVPを受賞したフレディ・フリーマン、さらに23歳の神童ロナルド・アクーニャJr.から三振を奪ってみせてもいる。
たしかに数字的にみると、MLBキャリアでの防御率は5.83、FIP6.59と決して芳しくはない。だが、トリプルAでの実績はかなりのもので、28試合に登板した今季は防御率1.96、FIP2.05、さらに奪三振率は15.22と図抜けたアベレージをマークしているのだ。
まさしく奪三振マシーンだ。日本球界に馴染めるかという大きな問題はあるにせよ、ケラーには、スアレスのように相手打者を牛耳るピッチングができるだけのポテンシャルはあると言える。
近年の阪神は助っ人投手においては"外れ"が少ないのも事実だ。これまでもオ・スンファン、ラファエル・ドリス、ピアース・ジョンソン、ジョー・ガンケル、そしてスアレスとそのほとんどがチームに欠かせない主力として成功を収めた。それだけに獲得が囁かれるケラーにも期待する虎党は少なくないはずだ。
はたして、阪神は絶対的守護神だったスアレスの後釜としてケラーを迎え入れられるのか。その交渉の行方を見守りたい。
構成●THE DIGEST編集部
【動画】唸るストレート! ケラーが強打者フリーマンから奪った三振シーン
しかし、そんな阪神にとって逆風ともいうべき知らせが舞い込んだ。11月30日に登録期限を迎えていた保留者名簿からロベルト・スアレスが外れ、メジャー挑戦が決定的となったのだ。
2019年に阪神に入団したスアレスは、最速160キロの剛速球を軸に2年連セーブ王となるなど、絶対的な守護神として君臨。矢野監督が「スアちゃんに何が起こっても受け止めるしかない。それぐらいの信頼があった」と吐露するほど戦力だけに退団は文字通りの痛手だ。
すでにサンディエゴ・パドレスやボストン・レッドソックスとの交渉が囁かれるスアレス。ただ、彼が阪神と締結した2年契約の2年目にはオプトアウトの条項が付帯しており、メジャー挑戦による退団は致し方がないとも言える。
ゆえに嘆いてばかりもいられない。すでに阪神は新たな助っ人クローザーの獲得に動き出している。そのなかで最有力候補とされているのが、ピッツバーグ・パイレーツに所属したカイル・ケラーだ。
では、ケラーとはいかなる投手なのか。少し分析してみたい。
現在28歳の右腕の投球スタイルは実にシンプルと言える。というのも、オーソドックスなフォームから投げ下ろされる球種が、最速157キロの4シームと縦にドロップするカーブしかないのである。実際、今季のMLBにおける投球割合もそのふたつのみだ。
だが、2球種だけでも十分に通用する実績はある。今年のアトランタ・ブレーブス戦では、昨季ナ・リーグMVPを受賞したフレディ・フリーマン、さらに23歳の神童ロナルド・アクーニャJr.から三振を奪ってみせてもいる。
たしかに数字的にみると、MLBキャリアでの防御率は5.83、FIP6.59と決して芳しくはない。だが、トリプルAでの実績はかなりのもので、28試合に登板した今季は防御率1.96、FIP2.05、さらに奪三振率は15.22と図抜けたアベレージをマークしているのだ。
まさしく奪三振マシーンだ。日本球界に馴染めるかという大きな問題はあるにせよ、ケラーには、スアレスのように相手打者を牛耳るピッチングができるだけのポテンシャルはあると言える。
近年の阪神は助っ人投手においては"外れ"が少ないのも事実だ。これまでもオ・スンファン、ラファエル・ドリス、ピアース・ジョンソン、ジョー・ガンケル、そしてスアレスとそのほとんどがチームに欠かせない主力として成功を収めた。それだけに獲得が囁かれるケラーにも期待する虎党は少なくないはずだ。
はたして、阪神は絶対的守護神だったスアレスの後釜としてケラーを迎え入れられるのか。その交渉の行方を見守りたい。
構成●THE DIGEST編集部