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ピンチに強い「投手・大谷」! その凄みを物語る数値はダルビッシュ有を凌ぐMLB歴代屈指のレベルだった

THE DIGEST編集部

2021.12.06

今年9月のアスレティックス戦で相手打者をねじ伏せて、叫んだ大谷。その投球は彼の真骨頂というべきものだった。(C)Getty Images

 ピンチでこそ本領を発揮する。「投手・大谷」の凄みは、そこにある。

 今季、二刀流で一大センセーションを巻き起こした大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、レギュラーシーズンで46本塁打を放った打撃だけではなく、投手としても図抜けたパフォーマンスを見せつけた。
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 開幕前は右ひじの状態が不安視されたが、130.1イニングを投げた大谷は9勝をマーク。さらに防御率3.18、156奪三振、FIP(被本塁打・与四死球・奪三振のみで投手を評価する指標)3.51と上々の成績を残した。圧巻の打撃パフォーマンスを兼ねた好成績は、往年のレジェンドであるペドロ・マルティネスが「人間ではなく、モンスターか人造人間だね」と称えたほどだった。

 とりわけ冴えたのは、ピンチの場面での投球だ。現地時間12月5日、米野球データサイト『Codify』が公開したデータによれば、今季の大谷は得点圏にランナーがいる場面での被OPSが.380だったという。これは過去15年のMLBで最低90人以上の打者と対戦した投手の中で、2018年のブレイク・スネル(現サンディエゴ・パドレス)が記録した.374に次ぐ歴代2番目のハイアベレージである。

 勝負所での凄さを物語る場面があった。それは9月19日に行なわれたオークランド・アスレティックス戦だ。この試合で「2番・投手」として先発していた大谷は、0対2で迎えた8回に四球や死球で無死満塁の場面を招いてしまったのである。
 
 1点も与えたくない展開で、何とか2アウトをもぎ取った背番号17は、ここでギアを一気にあげた。この試合でホームランを打たれていたアスレティックスの4番マット・チャップマンと対峙したのだが、カウント2-2とした6球目に最高のスプリットを投じて空振り三振に切り、見事に無失点で乗り切ったのである。

 まさに熱投だった。この時のピッチングがどれだけ際立っていたかは、敵捕手ヤン・ゴームズが、「今まで見た中でも最も優れたスプリットのひとつだ。あれに手を出すのは、かなりハードルが高い」が語っていることからも分かる。

 先月18日に発表されたMVPには、満票で選出された大谷。絶体絶命の局面で見せた彼の偉才ぶりは、その理由のひとつとして挙げられるはずだ。

【得点圏にランナーを置いた場面での被OPSランキング】
1位:ブレイク・スネル(2018年)=.374
2位:大谷翔平(2021年)=.380
3位:田澤純一(2013年)=.388
4位:アーロン・ノラ(2018年)=.391
       ダルビッシュ有(2013年)=.391

構成●THE DIGEST編集部

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