毎年恒例となっている2021年の漢字が決まった。「金」である。
日本漢字能力検定協会の発表によれば、「金」となった要因のひとつが、MLBで二刀流による大フィーバーを巻き起こした大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。日本人史上初の満票によるMVPを獲得という"金"字塔を打ち立てたためである。
【動画】打撃音が爽快! MVP受賞した大谷翔平の全46本塁打を一挙振り返り!
振り返ってみても、キャリアの黄"金"期と言える1年だった。開幕前には、「『二刀流』をこなせる才能があった部分も理解できるが、チームは現実を直視すべきである」(地元紙『LA TIMES』)と反論も噴出するなど、現地メディアですらも疑いの目を向けていたが、27歳のサムライは誰もが脱帽してしまう結果でもって周囲の考えを改めさせた。彼が残したスタッツをあらためて見直しても凄まじい。
<投手>
【防御率】3.18
【勝利】9勝
【投球回】130.1イニング
【奪三振】156
【奪三振率】10.77
【与四球率】3.04
【被打率】.205
【FIP】3.51
【fWAR】3.0
<野手>
【本塁打】46
【安打】137
【二塁打】26
【三塁打】8
【打点】100
【長打】80
【得点】103
【四死球】100(四球96)
【盗塁】26
【出塁率】.372
【長打率】.592
【OPS】.965
【fWAR】5.1
オールスター史上初となる投打での選出や、二刀流の先駆者であるベーブ・ルースですら成しえなかった偉業であるクインタプル(投打5部門)もやってのけた。そして気づけば、懐疑論は打ち消え、「この地球上で最高の選手だ。これは疑いようがない」(元ニューヨーク・ヤンキース投手C.C.サバシア)という賛辞が止まらない状況になっていた。
そんな歴史的なアスリートとなった大谷の1年を振り返れば、忘れられない言葉がさまざまにある。そのなかで最も興味深かったのは、野球ジャーナリストのピーター・ギャモンズ氏が5月に放った一言だ。図抜けた娯楽性を提供し続ける日本人スラッガーを「野球界の再生の歴史だ」と表現したのである。
「ブラックソックス事件(米球界最大と言われる1919年の八百長事件)の後にベーブ・ルース、1995年のストライキとワールドシリーズ中止の後にカル・リプケン。そして、パンデミックシーズンの後は、信じられないオオタニだ」
コロナ禍の危機をようやく脱したMLBだが、目下ロックアウトの真っただ中にある。現時点で来年2月上旬には選手会との新労使協定を巡る交渉が締結されると見られているが、一部では開幕時期の後ろ倒しも危惧され、野球人気の低下は避けられないとの見方も出ている。
にわかに球界へ暗雲が立ち込めているなかで、スポーツの垣根を越えた存在となった大谷は貴重だ。ギャモンズ氏が指摘する通り、野球人気を繋ぎ止める旗頭になる可能性は十二分に考えられる。野球の本場で、日本人である彼がその役割を担うとなれば、それこそ誰も成しえなかった"金"字塔と言えるのではないだろうか。来季への期待も膨らむ一方だ。
構成●THE DIGEST編集部
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日本漢字能力検定協会の発表によれば、「金」となった要因のひとつが、MLBで二刀流による大フィーバーを巻き起こした大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。日本人史上初の満票によるMVPを獲得という"金"字塔を打ち立てたためである。
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振り返ってみても、キャリアの黄"金"期と言える1年だった。開幕前には、「『二刀流』をこなせる才能があった部分も理解できるが、チームは現実を直視すべきである」(地元紙『LA TIMES』)と反論も噴出するなど、現地メディアですらも疑いの目を向けていたが、27歳のサムライは誰もが脱帽してしまう結果でもって周囲の考えを改めさせた。彼が残したスタッツをあらためて見直しても凄まじい。
<投手>
【防御率】3.18
【勝利】9勝
【投球回】130.1イニング
【奪三振】156
【奪三振率】10.77
【与四球率】3.04
【被打率】.205
【FIP】3.51
【fWAR】3.0
<野手>
【本塁打】46
【安打】137
【二塁打】26
【三塁打】8
【打点】100
【長打】80
【得点】103
【四死球】100(四球96)
【盗塁】26
【出塁率】.372
【長打率】.592
【OPS】.965
【fWAR】5.1
オールスター史上初となる投打での選出や、二刀流の先駆者であるベーブ・ルースですら成しえなかった偉業であるクインタプル(投打5部門)もやってのけた。そして気づけば、懐疑論は打ち消え、「この地球上で最高の選手だ。これは疑いようがない」(元ニューヨーク・ヤンキース投手C.C.サバシア)という賛辞が止まらない状況になっていた。
そんな歴史的なアスリートとなった大谷の1年を振り返れば、忘れられない言葉がさまざまにある。そのなかで最も興味深かったのは、野球ジャーナリストのピーター・ギャモンズ氏が5月に放った一言だ。図抜けた娯楽性を提供し続ける日本人スラッガーを「野球界の再生の歴史だ」と表現したのである。
「ブラックソックス事件(米球界最大と言われる1919年の八百長事件)の後にベーブ・ルース、1995年のストライキとワールドシリーズ中止の後にカル・リプケン。そして、パンデミックシーズンの後は、信じられないオオタニだ」
コロナ禍の危機をようやく脱したMLBだが、目下ロックアウトの真っただ中にある。現時点で来年2月上旬には選手会との新労使協定を巡る交渉が締結されると見られているが、一部では開幕時期の後ろ倒しも危惧され、野球人気の低下は避けられないとの見方も出ている。
にわかに球界へ暗雲が立ち込めているなかで、スポーツの垣根を越えた存在となった大谷は貴重だ。ギャモンズ氏が指摘する通り、野球人気を繋ぎ止める旗頭になる可能性は十二分に考えられる。野球の本場で、日本人である彼がその役割を担うとなれば、それこそ誰も成しえなかった"金"字塔と言えるのではないだろうか。来季への期待も膨らむ一方だ。
構成●THE DIGEST編集部
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