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元巨人助っ人が仰天したイチローの“こだわり”。「触れてはいけない」バットに触った若手への振る舞いも証言

THE DIGEST編集部

2021.12.18

球界屈指の天才ヒッターであるイチロー。彼との貴重な経験を元巨人戦士が明かした。(C)Getty Images

球界屈指の天才ヒッターであるイチロー。彼との貴重な経験を元巨人戦士が明かした。(C)Getty Images

 球界屈指のバットマンとして世界的なアスリートとなったイチロー。日米通算安打数4367本という歴代屈指の安打製造機として知られる彼のこだわりは半端ではない。
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 その一端とも言えるエピソードを明かす人物がいる。元メジャーリーガーのケーシー・マギーだ。

 13年に楽天イーグルス、17年から約2年だけ巨人に在籍し、日本球界でも名の知れた39歳のスラッガーは、実はMLBでイチローと同僚だった。ニューヨーク・ヤンキースに在籍していた2012年と、マイアミ・マーリンズ時代の2015年にチームメイトとしてプレーしていたのである。

 この時の貴重な経験について、現地時間12月16日に公開された『MLB Network Radio』で「本当に多くを学んだ」と語るマギーは、興味深いヤンキース時代の思い出を振り返った。

「僕がニューヨーク(・ヤンキース)に移籍した時の話だけど、イチローはベンチにバットとか自分の道具を置いておくスペースを持っていたんだ。それは本当に丁寧に整理整頓されていて、何から何まで綺麗に置かれていたんだ。誰に言われたかは忘れたけど、『絶対に触ってはいけないよ』って言われたのを覚えているよ」

 天才肌ゆえに道具ひとつとってもわずかな狂いも嫌う。そんなイチローのこだわりは、日米10球団を渡り歩いたマギーから見ても「本当に凄かった」。
 
 だが、ある時、「イチローの道具には触れてはいけない」という“御法度”を破った選手がいたという。現場を目の当たりにしていたマギーは、こう証言する。

「マーリンズ時代だ。何も知らない若手が何の断りもなくイチローのバットに触れたんだ。そりゃあ、史上最高の選手のバットだから、触りたくなってしまう衝動は分かるよ。ただ、イチローはライトの守備位置からそいつをずっと睨んでいたんだ。本当に鋭い眼光でね。それでベンチに戻ってきたとき、彼は通訳をダグアウト裏に行かせて新しいバットを持ってこさせたんだ。彼は誰かが触ったバットを使う気なんてないんだ」

 周囲が愕然とするほどのこだわりを見せたというイチロー。マギーは天才ヒットメーカーが、そこまでする理由を垣間見た時に、より驚かされたという。

「本当に驚いたんだけど、彼は打席や試合が終わった後にバットを丁寧に手入れするんだ。その間のほとんどの時間は、どこにボールが当たったのかを見ることに費やしているんだよ。どうすれば自分が望む場所に当てられるか、バットの当たったところを見て考えているんだ」

 何歳になろうとも、自身の追い求める理想の打撃を追究し続けたイチロー。その探求心は、日米で活躍した助っ人にも小さくない影響を与えたようだ。

構成●THE DIGEST編集部
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