MLB

「自分らしさを忘れるな」――大谷翔平の歴史的快進撃を支えた“偉才”イチローの助言。米誌で明かされた秘話

THE DIGEST編集部

2022.01.13

MLBでヒストリカルな活躍を見せた大谷(左)。その支えとなったのはルーキーイヤーに送られたイチロー(右)の言葉だった。(C)Getty Images

 文字通り球史に残る快進撃だった。渡米4年目の大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、1年を通して"リアル二刀流"をやり切り、アメリカン・リーグのシーズンMVPも日本人選手史上では初となる満票で手にした。

 MLB史上でも19人しかいない満票でのMVP。それは当然の結果だった。投打の両方で異次元の活躍を続け、「野球の神様」と称されるベーブ・ルースでも成しえなかった史上初となる投打5部門での「クインタプル100」(イニング、奪三振、安打、得点、打点)をやってのけたのだ。

 もっとも、シーズンの開幕前にここまでの活躍を予想する人は少なかった。多くのメディアや識者は、「二刀流ができるなんて考えもしなかった」(元MLB投手ジョン・スモルツ)と、MLBでの過去3年間で怪我と戦い続けた27歳の日本人に否定的な見方をし、後世にも語り継がれるであろう歴史を紡ぐとは想像もしていなかったはずだ。

 そうした逆風を大谷は見事に吹き飛ばしたのである。27歳の支えとなったのは、同じく球史に名を刻んだ偉才の言葉だったのかもしれない。現地時間1月12日に米ファッション誌『GQ』のインタビューに応じ、球界のレジェンドであるイチロー氏から受けた助言を明かした。

 振り返ったのは、MLB挑戦1年目(2018年)の春季キャンプでの出来事だ。当時、シアトル・マリナーズに復帰したイチロー氏から食事の誘い受けた大谷は、アメリカでのプレーや生活、さまざまな葛藤に関する話をするなかで、こうアドバイスをされたという。

「自分らしさを忘れるな。自分らしくやってきてここまで来たんだ。それを変える必要はない。とにかく自分を保ち続けること」

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 その助言を受け、「自分らしさ」を探した大谷は、ある答えを見出したという。

「イチローさんが言っていたこととは矛盾してしまうんですけど、僕は少しずつ修正をしながら常に変化するタイプだと気づいたんです。とくにこの数年は、それが僕であり、僕という人間なんだと気づいた。でも、イチローさんと夕食をして以来、自分らしく、正しいことをし続ければ、自信をもって自分の道を歩み続けると考えられるようになった」

 MLBで通算3089安打を積み上げ、10シーズン連続200本安打という偉業を成しえたレジェンドの言葉。それこそが大谷の飛躍の礎になったと言えそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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