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野球漫画の巨星が旅立つ。水島新司さんの訃報に元西武の松坂大輔が馳せた想い「今だからこそ指導者の方にも読んでほしい」

THE DIGEST編集部

2022.01.17

人気作「ドカベン」で主人公の山田太郎とバッテリーを組んだ松坂。その当時の想いを感慨深げに振り返った。写真:徳原隆元

 スポーツ漫画界で歴史を築いた巨星が旅立った。1月10日、「ドカベン」や「あぶさん」などの作品が人気を集めた漫画家の水島新司さんが、肺炎のため東京都内の病院で死去した。82歳だった。

 次々と人々に愛される作品を生み出した。1970年に「男どアホウ甲子園」で一気にその名が知られるようになった水島さんは、72年から「野球狂の詩」、「ドカベン」と連載を開始。さらに73年からは「あぶさん」とヒット作を量産し、野球漫画のレジェンドとなった。

 とりわけ「ドカベン」は、野球関係者にも深く愛される不朽の名作だ。72年からの46年間で単行本累計203巻を数えた同シリーズは、名スラッガーの山田太郎、サブマリン投法の里中智、悪球打ちの岩鬼正美、数多の"秘打"を生みだした殿馬一人など個性豊かな選手たちの活躍が大人気となった。

 そんなドカベンに"登場"した選手たちも、水島さんの他界に想いを馳せている。昨シーズンで現役を引退した元西武ライオンズの松坂大輔は訃報が流れた17日に自身のツイッターを更新し、「学生時代から読んでいた漫画ドカベンに自分が初めて出た時の喜びは今でも忘れません…」と記した。
 
 95年から連載が始まったプロ野球編において、西武に所属した主人公の山田とバッテリーを組んだ。そして岩鬼や殿馬、微笑三太郎など人気キャラクターと対戦していた"怪物"は、こうも続けた。

「こんなルールがあったんだと勉強させてもらった事もあります。今だからこそ子どもたち、指導者の方にも読んでほしい野球漫画だと思います。自分もまた読み返したいと思います。水島先生、ありがとうございました!」

「明訓打線を自分ならどう投げたら抑えられるか想像した事もあった。遊びで秘打を真似しようとした事もあった。そんな野球少年はたくさんいたんだろうなぁ…。好きな選手は不知火投手でした」

 数多の個性派キャラクターが織りなすストーリーで、多くの野球人たちに影響を与えた水島さん。その作品の数々が色褪せることはない。

構成●THE DIGEST編集部