西武は1月18日、右腕バーチ・スミスの加入を発表した。背番号は「54」。スミスは球団を通じて、「このオフは自分を鍛え上げてきましたので、新しいチームメイトと共に埼玉にチャンピオンフラッグをもたらしたいです!」とコメントした。
【動画】西武新助っ人スミスの投球ハイライト! 高め4シームで空振りを量産!
4月に32歳を迎えるスミスは2013年にパドレスでメジャーデビューすると、14年オフにレイズへトレード。直後にトミー・ジョン手術を受けるなどして5年間メジャーの舞台から遠ざかっていたが、18年にロイヤルズで返り咲き、以降はブルワーズ、ジャイアンツ、アスレティックスと計6球団を渡り歩く、いわゆる“ジャーニーマン”となった。そして今回、太平洋を渡って日本に活躍の場を求める決断をしたようだ。
4年連続で防御率リーグワーストに沈んでいる西武。渡辺久信GMは「先発として期待しています。スミス投手本人も先発で勝負したいという気持ちがあります」と期待を寄せている。けれども、先発としてのスミスには少なくない不安もある。
メジャー通算5年間で102登板しているスミスだが、そのうち先発で投げたのは13試合。19年こそ3Aで17先発しているものの、過去2年間はスターターとして投げていない。持ち球は4シーム、カーブ、チェンジアップ、スライダーとリリーフにしては多彩でも、昨季の4シームの平均球速は93.4マイル(約150キロ)、奪三振率も5.82にとどまるなど決して球威で押すタイプでもない。先発として投げることでストレートの球速も落ちることが予想され、西武守備陣のサポートが成績を左右する面もありそうだ。
メジャーでは確固たる成績は残せなかったスミスだが、一昨年はアスレティックスのブルペンの一角に入り、最初の5試合で計10.1回を無失点、被安打4と好投していた。その際、ノーヒッターを達成したこともある左腕のショーン・マナエアは「ビックリした。スピードはないけどすごくキレがある感じがした」、捕手のオースティン・アレンからも「4シームは回転数が高くて、しかもカーブとチェンジアップを同じリリースから投げられる」と称賛の声が上がっていた。
さらに、ボブ・メルビン監督も「リリーフなのに複数イニングを投げても球速が落ちることなく、しっかり投げることができる」ともコメント。もしかしたら、渡辺GMもスミスのこうした性質を評価し、先発で起用する方針を固めたのかもしれない。
実は、スミスの4シームは球速は遅いにもかかわらず、空振り/スウィング率は例年かなり優秀な数字を残している。20年は29.4%、昨年も21.4%を記録。先発とリリーフで数字の捉え方は異なるけれども、大谷翔平(エンジェルス/20.8%)を上回っていた(ちなみに、昨年のNPBの4シームの空振り/スウィング率は15.5%)。特に高めをうまく使った投球が特徴。近年のMLBのトレンドでもあるこの投球スタイルを日本でも生かせるか注目したい。
構成●SLUGGER編集部
【動画】西武新助っ人スミスの投球ハイライト! 高め4シームで空振りを量産!
4月に32歳を迎えるスミスは2013年にパドレスでメジャーデビューすると、14年オフにレイズへトレード。直後にトミー・ジョン手術を受けるなどして5年間メジャーの舞台から遠ざかっていたが、18年にロイヤルズで返り咲き、以降はブルワーズ、ジャイアンツ、アスレティックスと計6球団を渡り歩く、いわゆる“ジャーニーマン”となった。そして今回、太平洋を渡って日本に活躍の場を求める決断をしたようだ。
4年連続で防御率リーグワーストに沈んでいる西武。渡辺久信GMは「先発として期待しています。スミス投手本人も先発で勝負したいという気持ちがあります」と期待を寄せている。けれども、先発としてのスミスには少なくない不安もある。
メジャー通算5年間で102登板しているスミスだが、そのうち先発で投げたのは13試合。19年こそ3Aで17先発しているものの、過去2年間はスターターとして投げていない。持ち球は4シーム、カーブ、チェンジアップ、スライダーとリリーフにしては多彩でも、昨季の4シームの平均球速は93.4マイル(約150キロ)、奪三振率も5.82にとどまるなど決して球威で押すタイプでもない。先発として投げることでストレートの球速も落ちることが予想され、西武守備陣のサポートが成績を左右する面もありそうだ。
メジャーでは確固たる成績は残せなかったスミスだが、一昨年はアスレティックスのブルペンの一角に入り、最初の5試合で計10.1回を無失点、被安打4と好投していた。その際、ノーヒッターを達成したこともある左腕のショーン・マナエアは「ビックリした。スピードはないけどすごくキレがある感じがした」、捕手のオースティン・アレンからも「4シームは回転数が高くて、しかもカーブとチェンジアップを同じリリースから投げられる」と称賛の声が上がっていた。
さらに、ボブ・メルビン監督も「リリーフなのに複数イニングを投げても球速が落ちることなく、しっかり投げることができる」ともコメント。もしかしたら、渡辺GMもスミスのこうした性質を評価し、先発で起用する方針を固めたのかもしれない。
実は、スミスの4シームは球速は遅いにもかかわらず、空振り/スウィング率は例年かなり優秀な数字を残している。20年は29.4%、昨年も21.4%を記録。先発とリリーフで数字の捉え方は異なるけれども、大谷翔平(エンジェルス/20.8%)を上回っていた(ちなみに、昨年のNPBの4シームの空振り/スウィング率は15.5%)。特に高めをうまく使った投球が特徴。近年のMLBのトレンドでもあるこの投球スタイルを日本でも生かせるか注目したい。
構成●SLUGGER編集部