プロ野球

元中日戦士の息子が抱く日本への「未練」。メジャー挑戦も捨てきれない逸材を韓国メディアが分析「年俸はタナカを凌ぐ」

THE DIGEST編集部

2022.02.03

卓越した打力で声価を高めているイ・ジョンフ。彼の現在の年俸は日本円で7125万円と決して高くないだけに、日本球界からも“ラブコール”が送られているようだ。(C)Getty Images

 球界のレジェンドを父に持つサラブレットの去就が注目を集めている。KBOリーグ(韓国リーグ)のキウム・ヒーローズに所属するイ・ジョンフだ。

 現在23歳ながら実力は韓国球界屈指だ。とりわけ、1998年から4年間に渡って中日でプレーした父のイ・ジョンボムを彷彿とさせる打力は、昨シーズンも出色の出来だった。打率.360で史上初となる親子での首位打者を獲得しただけでなく、78得点、84打点、10盗塁、OPS.960というハイアベレージを叩き出した。

 今オフには、新たに韓国球界最高となる年俸7億5000万ウォン(約7125万円)の契約を締結。同国のプロ野球選手協会が選出する最優秀選手賞も手にしたイ・ジョンフは「韓国球界の顔」と言える存在となった。

 そんな名古屋生まれの若き逸材は、3年後に海外FA権を取得する。それだけに韓国国内でも、彼の去就に対する注目は日増しに高まっている。現状について「間違いなく韓国でも指折りの打者だ」と説いた地元メディア『MK Sports』は、日本球界に詳しい関係者の情報として「今オフには日本の1球団から『日本に来る気はあるか』という連絡を受けた」とレポートした。

「日本のあるプロ球団はメジャーリーグ球団とのマネーゲームでも負けないという意思を示したことがある。彼への関心は、大金を持つ球団を中心に日本でも続いている。そのなかで中日は、決して金満球団ではないが、父親であるイ・ジョンボムとの縁があり、イ・ジョンフ本人も日本への未練の一切れを捨てられずにいるようだ」

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 日本参戦の可能性を指摘した同メディアは、「年俸7億5000万ウォンは日本においては、さほど障壁になる値段ではない」と主張。一方で「より大きな夢舞台でのプレーを望むかもしれない」とも論じている。

「メジャーからの関心がより強くなれば、日本に進出する可能性がそれほど大きなものではなくなるだろう。彼は新人時代に『父がプレーした中日でやることが目標』と語ったが、親しい仲にあるキム・ハソン(サンディエゴ・パドレス)らがメジャーリーグに挑戦する姿を目の当たりにし、その考えが変わっているようだ」

 闘将・星野仙一からも寵愛された巧打者の息子が来日するとなれば、話題となるのは必至だ。水面下で激化しつつある争奪戦をふまえて想定される移籍金は、「マサヒロ・タナカの推定年俸9億円を凌ぐだろう」(『MK Sports』)と囁かれているが、イ・ジョンフは3年後、いかなる決断を下すだろうか。

構成●THE DIGEST編集部

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