史上最高のベースボーラーは誰なのか――。現地時間2月3日、野球ファンの興味をそそるランキングが明らかになった。
【動画】伝説のサヨナラ打! ジーターが「ヤンキースタジアム最終戦」で放った会心ヒットをチェック
発表したのは、米老舗スポーツ専門局『ESPN』。彼らは通算WARや、ピーク時のパフォーマンス、球界への貢献度などあらゆる要素を基準に、MLBの歴代トップ100人を独自に選出。栄光の第1位には、「野球の神様」ベーブ・ルースが堂々のランクインし、現役からはロサンゼルス・エンジェルスの主砲マイク・トラウトが15位に選ばれるなど、時代を超えたスターたちが居並んだ。
もっとも、ランキング発表後に話題となったのは、中位の選考だった。同メディアは28位に元ニューヨーク・ヤンキースの遊撃手デレク・ジーターを選んだのだが、これに異論が噴出したのだ。
驚きだったのは、ジーターが「貴公子」として愛されたニューヨークのメディアが、ケチをつけた点だ。ローカル紙『NY Daily News』は、「ジーターの順位は高すぎる」と真っ向から否定した。
同紙は「実際のフィールド上での活躍よりも、ナイスガイとしてイメージや、野球を“正しい方法”でプレーする神聖さに重きを置いている」と分析。そのために、メジャー歴代最多安打記録(4256本)を誇るも野球賭博への関与が理由で永久追放されたピート・ローズや、通算762本塁打を放つもステロイド使用疑惑があるバリー・ボンズがTOP5にいないとしている。
しかし、「歴史的な観点から見ても、ボンズがTOP5にもいないランキングはお笑いだ」と主張した同紙は、ジーターの順位について「馬鹿げている」とも綴った。
「間違いなく彼は“トップ100”には値する選手だ。だが、彼をアルバート・プホルスやイチロー、トニー・グウィンよりも上に位置づけるのは馬鹿馬鹿しいし、間違いだ。プホルスはジーターよりも打撃において46%以上の生産性を残している。そしてイチローは、ジーターより飛躍的に守備力が高く、キャリアの最盛期と言われる10年間のWARでも上回っている」
『ESPN』がランキング作戦の基準としたWARを見ても、同紙の指摘は間違ってはいない。実際、ピーク時の10年間における数値は、ジーター(1997~2006)が「51.2」。かたやイチロー(2001~2010)は「54.9」と、3以上も高いのだ。
日頃からヤンキースの情報も発信している同紙は、ジーターに対する選考が「ワールドシリーズでの成功や通算安打数も加味されている」と指摘。そのうえで、「それはあくまでヤンキースにドラフトされた運でしかない。彼はメディアからの注目度も高いニューヨークのビッグマーケットでプレーすることで得たものだ」と厳しく意見した。
さらに同紙は20年に米国野球殿堂に有資格1年目ながら99.7%の得票数を集めたレジェンドについて「ジーターはまるで神のような地位を確立した。だが、それは明らかに誇張されたものだ」と糾弾。そして、最後に記事をこう結んでいる。
「あらゆる野球メディアが、今以上に現代の価値基準を受け入れ、伝統だけに縛られるのをやめれば、このスポーツが歩んできた激動の歴史を、より論理的に評価することができるようになるはずだ」
はたして、この主張を『ESPN』のような老舗メディアや、他でもないジーターはどう捉えるだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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もっとも、ランキング発表後に話題となったのは、中位の選考だった。同メディアは28位に元ニューヨーク・ヤンキースの遊撃手デレク・ジーターを選んだのだが、これに異論が噴出したのだ。
驚きだったのは、ジーターが「貴公子」として愛されたニューヨークのメディアが、ケチをつけた点だ。ローカル紙『NY Daily News』は、「ジーターの順位は高すぎる」と真っ向から否定した。
同紙は「実際のフィールド上での活躍よりも、ナイスガイとしてイメージや、野球を“正しい方法”でプレーする神聖さに重きを置いている」と分析。そのために、メジャー歴代最多安打記録(4256本)を誇るも野球賭博への関与が理由で永久追放されたピート・ローズや、通算762本塁打を放つもステロイド使用疑惑があるバリー・ボンズがTOP5にいないとしている。
しかし、「歴史的な観点から見ても、ボンズがTOP5にもいないランキングはお笑いだ」と主張した同紙は、ジーターの順位について「馬鹿げている」とも綴った。
「間違いなく彼は“トップ100”には値する選手だ。だが、彼をアルバート・プホルスやイチロー、トニー・グウィンよりも上に位置づけるのは馬鹿馬鹿しいし、間違いだ。プホルスはジーターよりも打撃において46%以上の生産性を残している。そしてイチローは、ジーターより飛躍的に守備力が高く、キャリアの最盛期と言われる10年間のWARでも上回っている」
『ESPN』がランキング作戦の基準としたWARを見ても、同紙の指摘は間違ってはいない。実際、ピーク時の10年間における数値は、ジーター(1997~2006)が「51.2」。かたやイチロー(2001~2010)は「54.9」と、3以上も高いのだ。
日頃からヤンキースの情報も発信している同紙は、ジーターに対する選考が「ワールドシリーズでの成功や通算安打数も加味されている」と指摘。そのうえで、「それはあくまでヤンキースにドラフトされた運でしかない。彼はメディアからの注目度も高いニューヨークのビッグマーケットでプレーすることで得たものだ」と厳しく意見した。
さらに同紙は20年に米国野球殿堂に有資格1年目ながら99.7%の得票数を集めたレジェンドについて「ジーターはまるで神のような地位を確立した。だが、それは明らかに誇張されたものだ」と糾弾。そして、最後に記事をこう結んでいる。
「あらゆる野球メディアが、今以上に現代の価値基準を受け入れ、伝統だけに縛られるのをやめれば、このスポーツが歩んできた激動の歴史を、より論理的に評価することができるようになるはずだ」
はたして、この主張を『ESPN』のような老舗メディアや、他でもないジーターはどう捉えるだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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