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菊池雄星の3年42億円“リーズナブル”契約に現地識者は「ナイス!」。一方で強敵相手の“不吉”なデータも

THE DIGEST編集部

2022.03.13

好条件を手にした菊池だが、同地区相手に分が悪い状況がどう転ぶか注目される。(C)Getty Images

好条件を手にした菊池だが、同地区相手に分が悪い状況がどう転ぶか注目される。(C)Getty Images

 現地時間3月10日にロックアウトが終わりを告げると、完全に止まっていた移籍市場が怒涛の展開を見せている。12日には、シアトル・マリナーズからFAとなっていた菊池雄星がトロント・ブルージェイズと3年3600万ドル(約42億円)で契約締結。日本屈指のサウスポーの新天地での活躍に注目が集まっている。

【動画】菊池が自己最多12奪三振の力投! 好調時は手が出ない!?

 昨季までメジャー3年間の70先発で15勝24敗、防御率4.97と平均以下の成績だった菊池だが、ブルージェイズの他にもニューヨーク・メッツなど複数球団が熱視線を送るなどFA市場での評価は高かった。近年は高速化に成功して球威が上昇しており、昨季前半戦は6勝4敗、防御率3.48、被打率.205の好成績を収めてオールスターにも選出。“魔改造”できればブレイクするとの声が多かった。
 
 今回の契約を受け、『Tront Star』のマイク・ウィルナー記者は「ポテンシャルを持った耐久性のある先発5番手として、この投資はとてつもなく素晴らしい」とし、ポテンシャルを考えればリーズナブルな契約だと評価。他にも、カナダスポーツ局のエルデン・ゼウェリング記者は、同じ左腕のスティーブン・マッツが20年に防御率9.68ながらブルージェイズで覚醒した件を引き合いに出し、菊池も大化けに期待できるかもしれないとしている。
 
 そんな中、MLB記者のダン・クラーク氏はある“不吉”なデータを紹介し、菊池がどう転ぶか注目しているようだ。クラーク氏は今季世界一を目指すブルージェイズが、さらなる先発投手の補強を手軽に済ませたことに「ナイス!」とコメント。しかし一方で、菊池が同じリーグの強豪相手に苦しんでいることを指摘。

 激戦の東地区では対ボストン・レッドソックスに防御率5.91(2先発)、ニューヨーク・ヤンキースに防御率4.57(4先発)、中地区王者のシカゴ・ホワイトソックスも防御率6.92(3先発)、西地区で鎬を削ってきたヒューストン・アストロズにも防御率6.00(11先発)と滅多打ちにあっていた。

 新労使協定によるプレーオフのフォーマットでは、地区優勝かつリーグ勝率1・2位に入ると緒戦を回避できることになり、例年以上に1勝の価値が高くなる。そうした中で上位勢相手にも取りこぼさないようにしたいところだが、菊池の分の悪さを心配しているようだ。

 もっとも、クラーク氏は指摘していないが、菊池はア・リーグ東地区を現在2連覇中のタンパベイ・レイズに対し、2先発で2勝、防御率1.38と結果を残している。良い時の菊池が出てきてくれることをブルージェイズは期待しているに違いない。果たして、菊池の契約が本当にリーズナブルかどうかは、シーズン中盤には見えてくるだろう。

構成●THE DIGEST編集部

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