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鈴木誠也の打撃センスは“三冠王”級? 元MLB戦士が快進撃に太鼓判「カブレラを思い起こさせるアジャストだ」

THE DIGEST編集部

2022.04.08

カブスでのデビューでチームの勝利に貢献した鈴木(左)。その打撃センスは球史に残るスラッガーであるカブレラ(右)とも比較されている。(C)Getty Images

 熱狂的なシカゴのファンに対しては、十分な"挨拶"だった。

 現地時間4月7日に行なわれたMLBの開幕戦で、シカゴ・カブスは、ミルウォーキー・ブルワーズと本拠地で対戦。メジャーデビューが注目を集めた鈴木誠也は、「6番・ライト」で先発出場。2打数1安打2四球1得点とつなぎ役としての役割を全うした。
【動画】昨季サイ・ヤング賞右腕を攻略! 鈴木誠也のMLB初ヒットをチェック

 試合後のフラッシュインタビューで「やっぱりヒットって打つのが難しい」と漏らした27歳だったが、好投手を相手にポテンシャルを遺憾なく発揮。5回裏に訪れた第2打席では、昨季のサイ・ヤング賞投手であるコービン・バーンズと対峙すると、カウント0-1から投じられたスライダーを左手一本で振り抜く。これが三遊間を破り、嬉しいMLB初ヒットとなった。

 オープン戦では球質が異なるMLBの投手たちに対するアジャストに苦戦していた鈴木。しかし、この日は目に見える結果でチームの先発起用に応えた。その出色のパフォーマンスには、カブスの開幕投手であったカイル・ヘンドリックスも「セイヤはとても落ち着いていたね。素晴らしいアプローチで四球に繋げていたし、バーンズの良い投球に対しては、良いスイングができていた。彼の打席内での振る舞いやアプローチには、僕は超感動したよ」と絶賛している。

 もっとも、鈴木はただの"ルーキー"ではない。カブスが5年8500万ドル(約101億円)という大枚を叩いたスラッガーだ。ゆえに彼の活躍はかねてから渇望されており、カブス首脳陣としては「期待通り」のデビューと言えるかもしれない。

 さらなる飛躍を裏付けるような分析も米メディアでは展開されている。MLBの公式ネットワーク局『MLB Network』の番組『MLB Tonight』で、「彼のパワーはこっちでも通用すると思う」と熱弁を振るったのは、かつてボストン・レッドソックスやニューヨーク・ヤンキースでプレーしたクリス・ヤングだ。

 引退後に同局のアナリストとなり、地元の大学で経済学の学位を習得した球界きっての頭脳派は、オープン戦での鈴木の打撃を見たうえで「もちろんアリゾナでの成績だってのは分かっているけど、日本で毎年30本を打っていたパワーは本物だ」と太鼓判を押した。

「興味深かったのはアジャストの仕方だ。ある試合では左足を大きく上げているけど、別の試合では地面につけたままだった。これは彼が考えたタイミングの取り方だと思うんだけど、これはあのミゲル・カブレラを思い起こさせるんだ。彼もそうやって対戦相手や感覚によって待ち方を変えていた。

 つまり、ここから分かるのは、スズキも打席内で、しっかりと自らの状況が理解出来ているということだ。どうすれば打てるかをね。とても印象的だよ。まるでベテランのようなアジャストの仕方だ。シーズンも良いプレーを続けてくれると思う」

 2012年にMLBで45年ぶりとなる打撃三冠王となった大打者と比較されるほどのポテンシャルを見せつけている鈴木。27歳のMLBキャリアは始まったばかりだが、期待せずにはいられない。

構成●THE DIGEST編集部

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