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“投票疲れ”も障壁に!? トラウトも達成していない「2年連続MVP」を目指す大谷翔平がクリアすべきハードル<SLUGGER>

出野哲也

2022.04.09

過去の2年連続MVPはミッキー・マントルやバリー・ボンズら錚々たるスターばかり。大谷もレジェンドたちの仲間入りができるか?(C)Getty Images

 今年も大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)の活躍には期待できそうだ。オープン戦は13試合で3本塁打。現地時間4月7日のヒューストン・アストロズとの開幕戦では4.2回を4安打1失点、9奪三振と好投。チームは敗れたが見事なピッチングを見せてくれた。昨年に続いてMVPを受賞するのではないかとの期待も高まっている。

 とはいえ、2年連続MVPは両リーグ合わせてもこれまでに13人(14回)しか達成されておらず、ハードルは高い。何しろ現役最高の選手の一人で、MVPを3度受賞しているチームメイトのマイク・トラウトですら達成していない快挙なのだ。

 だが、老舗米メディア『Sporting News』のライアン・フェイガンは「健康であれば他の選手に勝ち目はない。22年だけではなく、23年も、24年もだ」と、二刀流の価値はそれほどまでに高いと主張。また、米スポーツ専門局『ESPN』のデビッド・ショーンフィールドも「打率.276、42本塁打、13勝4敗、防御率2.99」と具体的な数字を挙げてMVPになると予想。その他多くのメディアのMVP予想でも3位以内に挙げられており、ベッティングサイトのシーザーズ・スポーツブックのオッズも1位だった。

 一方で、懐疑的な声もないわけではない。米放送局『CBS Sports』のマット・スナイダーは「昨年のように健康状態を維持したまま、投打ともハイレベルのパフォーマンスを保てるだろうか」と体力面の不安を示唆。これはスナイダーに限らず多くの人が心配している点で、ジョー・マッドン監督も「問題になるのは健康面だけ」と述べている。

 昨年まではナ・リーグの球場だと半強制的に休養を取れたが、両リーグでDH制が採用され、出場機会の増加が見込まれる。体調面の管理は今まで以上に注意が必要になるだろう。成績もさることながら、これが連続MVPの最も重要な条件であるのは言うまでもない。
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懸念すべきは「投票疲れ」?