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プロ野球

高卒新人で「完全試合の立役者」となった松川虎生とは? アマ野球ライターが記録した市和歌山時代を振り返る

THE DIGEST編集部

2022.04.16

市和歌山時代は小園健太をリードしていた松川虎生。早くもロッテで捕手としての才能を発揮している。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

市和歌山時代は小園健太をリードしていた松川虎生。早くもロッテで捕手としての才能を発揮している。写真:塚本凜平(THE DIGEST写真部)

 日本プロ野球28年ぶりとなる完全試合を達成した佐々木朗希だが、その一方でにわかに注目を集めているのが好リードで快挙をアシストした松川虎生だ。

 プロ1年目の今季はキャンプ、オープン戦から高卒ルーキーらしからぬプレーを見せて開幕スタメンを勝ち取ると、ここまでチームの主戦捕手として存在感を示している。満年齢20歳と18歳のバッテリーで達成した完全試合というのは、今後破られる可能性が極めて低い最年少記録となりそうだ。

 160キロを超えるストレートにもミットを動かさずにキャッチする捕球技術、150キロ近いフォークを反らさずに止めるブロッキング能力はとても18歳とは思えないものがある。しかし1年目からここまで一軍の戦力になると予想していた人はいなかったのではないだろうか。

 実際、アマチュア野球の現場で、この松川の活躍について数人のスカウトと話したが、ロッテの榎康弘スカウト部長を含めた全員がここまでのプレーは想像していなかったと口を揃えていた。

 筆者も高校時代に4試合、現場で松川のプレーぶりを見ているが、どちらかと言えば強く印象に残っているのは守備よりもむしろバッティングの方だった。改めてその4試合の打撃成績と、計測することのできたイニング間のセカンド送球最速タイムをまとめると以下のようになっている。

・2020年秋季近畿大会 対東播磨戦
5打席4打数2安打1四球(四球・中安・右飛・遊ゴ・右安)
セカンド送球:1.90秒

・2021年選抜高校野球 対県岐阜商戦
4打席4打数2安打(中安・右安・三振・右飛)
セカンド送球:1.88秒

・2021年選抜高校野球 対明豊戦
4打席3打数2安打1打点1四球(右飛・右2・中安・四球)
セカンド送球:1.91秒

・2021年全国高校野球選手権和歌山大会 対高野山戦
4打席3打数2安打4打点1本塁打1犠飛(中犠飛・左安・遊ゴ・左本)
セカンド送球:2.00秒

 4試合全てで2安打を打ち、3年夏の高野山戦ではコールド勝ちを決めるツーランを放つなど見事な打撃を見せているのがよく分かるだろう。体重100キロ近い巨漢だが、決してパワーだけではなくスイングに柔らかさがあり、センターを中心に右方向にも強く打てるというのは大きな長所である。

 佐々木が完全試合を達成した試合でもあわや満塁ホームランかというセンターオーバーの3点タイムリーツーベースを放っており、近いうちにプロ初ホームランも期待できるだろう。
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