プロ野球

佐々木朗希は「もっと良くなる」。完全試合中の降板も井口監督の決断を米記者は高評!カーショウを引き合いに賛辞

THE DIGEST編集部

2022.04.17

惜しくもチームは敗れた。だが、佐々木の歴史的な快投はアメリカでも大いに話題となっている。写真:産経新聞社

 惜しくも大記録を成立させられはしなかった。しかし、弱冠二十歳の投球は、間違いなく球史に残るそれだった。
【動画】日ハム打線が手も足も出ず! 佐々木朗希の快投シーンをチェック

 4月17日、ZOZOマリンスタジアムで行なわれた日本ハム戦に先発したロッテの佐々木朗希は、8回を投げてパーフェクトピッチングを披露。前回登板のオリックス戦で史上16人目の完全試合を達成した右腕は、ふたたび相手打線を寄せ付けない快投で17イニング連続パーフェクトを記録した。

 いまだオリックス戦の日本記録となる1試合19奪三振&完全試合達成の余韻が残る幕張で背番号17は、またしても異彩を放った。序盤からやや制球を乱して球数を費やしながらも日本ハム打線を翻弄すると、次々と三振とアウトカウントの山を築いていく。7回には、野茂英雄とダルビッシュ有に並ぶ史上3人目となる初登板から4試合連続二けた奪三振という記録を打ち立てた。

 8回までパーフェクトで抑えた佐々木。しかし、この日は味方打線も相手先発の上沢直之の好投を前に沈黙。援護が得られずに9回を迎えると、井口資仁監督がベンチから現れ、主審に投手交代を告げ、守護神の益田直也へとスイッチされた。

 惜しくも2試合連続完全試合という快挙は果たせなかった。そして、チームも0対1で敗れた。しかしながら、17イニング連続パーフェクトという佐々木の伝説的な投球は、海を越えて大きな話題となっている。米データ専門サイト『Fan Graphs』で執筆していたキム・スンミン記者は「ロウキ・ササキはまだ完璧ではないが、一貫してストライクを投げる力は十分にある。まだ20歳の彼はもっと良くなる」と期待を寄せた。

 また、佐々木に高校時代から「注目に値するトッププロスペクトだ」として熱視線を送ってきた米紙『LA Times』のディラン・ヘルナンデス記者は、「イグチ監督はドジャースを率いるための準備をしているのかな」とツイート。これは今月13日に完全試合をやっていた7回で降板を余儀なくされたロサンゼルス・ドジャースのクレイトン・カーショウを引き合いに出したものだ。

 カーショウの交代については一定数の批判的な声も上がった一方で、故障明けのエースの健康を大記録よりも優先させたデーブ・ロバーツ監督らドジャース首脳陣の決断が高く評価された。ゆえにヘルナンデス記者は冗談を交えながらも、超逸材の将来を見据えた井口監督の采配を評した形である。

 入団以来、身体への負担を考えて慎重に育てられてきた佐々木。そんなロッテの意向は、大記録が懸かった場面でも変わらなかった。アメリカからも称えられた井口監督の決断が、未来の日本球界のためになると願いたい。

構成●THE DIGEST編集部

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