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“デグロム超え”の豪腕グリーンより上! 佐々木朗希に現地メディアが感嘆。「日本にも同じクラスのスピードで、そして完全試合の男がいる」

THE DIGEST編集部

2022.04.18

2試合連続のパーフェクトに目前まで迫った佐々木(右)。彼と同じ“資質”を持つ豪腕グリーン(左)もこの日快記録を打ち立てた。写真:産経ビジュアル(佐々木)、Getty Images

2試合連続のパーフェクトに目前まで迫った佐々木(右)。彼と同じ“資質”を持つ豪腕グリーン(左)もこの日快記録を打ち立てた。写真:産経ビジュアル(佐々木)、Getty Images

 かつて大台と言われた「150キロ」は、彼らの前では完全に過去のものになったと痛感させられる。

 日本時間4月17日、ロッテの佐々木朗希は本拠地で行われた日本ハム戦に先発。8回を14奪三振でパーフェクトに抑え、先週10日に達成した史上16人目の完全試合をなんと17イニングまで継続させたのだ。もっとも、球数が嵩み、打線の援護もなかったことで8回終了後に降板し、2試合連続での大偉業はなくなった。

 高校3年時に163キロを計測した“令和の怪物”は、当時はまだ肉体にスピードがついてこれず、安定して剛速球を投げていたわけではなかった。しかし、ロッテは1年目に登板をさせずに身体づくりに専念させ、徐々にプロの水に慣らす育成法を選択。そして、その成果が出て、今シーズンは怪物の実力を遺憾なく発揮している。

 17日の登板ではストレートを57球投げ、160キロ以上は33球。“平均”球速が159.7キロと、一人別次元の球速帯を叩き出している。しかし面白いことに、海の向こうアメリカでも同日、佐々木と一切遜色のない豪腕ぶりを発揮している男がマウンドに上がった。シンシナティ・レッズの期待株、ハンター・グリーンだ。

【動画】球速は佐々木朗希より上!? “超豪腕”グリーンの投球映像がこれだ
 今年メジャーデビューを果たした22歳のグリーンは、敵地でのロサンゼルス・ドジャース戦に先発すると、平均球速100.2マイル(161.3キロ)という異次元のスピードを計時。1試合で39球の100マイル超えは、サイ・ヤング賞2回の最強投手ジェイコブ・デグロム(ニューヨーク・メッツ/33球)を抜いてピッチトラックが始まった2008年以降のメジャー記録を塗り替えたのだ。

 最速102マイル(164.1キロ)、最も遅い4シームでも98.5マイル(158.5キロ)という驚愕の球速は、環境が異なるとはいえ、佐々木をも上回る数字。高校時代は二刀流スターで注目を集め、2017年ドラフト全体2位指名を受けた資質を発揮した格好だ。

 もっとも、グリーンもまた発展途上。変化球や制球力はまだ課題で、この日は強力ドジャース打線を5回まで無失点に抑えていたが、6回に2ランを浴びるなどで敗戦投手になっている。だからこそ、現地大手メディア『USA TODAY』は佐々木の才能をこう表現したのだろう。

「ハンター・グリーンは平均100マイルの速球を駆使し、メジャー2登板でその才能を発揮した。しかし海の向こうでは、もう一人の右の超豪腕が、グリーンとほぼ同じスピードを投げながら、完全試合に抑える一枚以上も上手の投球を見せている」

 日米にほぼ同じタイミングで台頭している佐々木とグリーン。現時点での完成度は佐々木の方が上かもしれないが、いずれは彼ら2人が投げ合うことを夢見たくなるほど、その才能は抜きんでたものがある。

構成●THE DIGEST編集部

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