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MLB

なんと50センチ以上も変化! 大谷翔平の“新魔球”スライダーはなぜ活かされたのか?「今まで最高レベルだった」

THE DIGEST編集部

2022.04.22

速球と変化球を巧みに織り交ぜ、アストロズ打線を翻弄した大谷。そのピッチングを味方捕手も称えた。(C)Getty Images

速球と変化球を巧みに織り交ぜ、アストロズ打線を翻弄した大谷。そのピッチングを味方捕手も称えた。(C)Getty Images

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)のキャリアでも指折りの快投だった。現地時間4月20日に行なわれたヒューストン・アストロズ戦でのピッチングだ。
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 序盤からエンジンは全開だった。初回にいきなり2者連続三振を決めた大谷は、そこから勢いに乗り、あれよあれよと三振の山を築いた。3回から4回には6者連続三振を奪取するなど、強打を誇るアストロズの実力派たちのバットが面白いように空を切った。

 結局、6回を投げ切って降板するまでに許したヒットは、わずかに「1」。三振数はMLBキャリアでは自己最多タイとなる「12」を記録した。ちなみに被安打1、12奪三振を記録しながら、打者として3回以上出塁したのは、MLB史上初の快挙だった。

 まさに記録的なピッチングを実現させたのは、驚異的なキレ味を見せたスライダーだ。ストライクゾーンからボールゾーンへ大きく曲がったボールには、アストロズの強打者たちも手をこまねき、空振り率は73.3%という驚きの値となった。

 敵将ダスティ・ベイカーが試合後に「誰も彼のスライダーの本当の威力に気づいていない。今までにいったい何人の打者が、あのボールを振らされたことか」と訴えたボールは、その曲がり具合も驚異的だ。MLB公式のデータサイト『Baseball Savant』によれば、最も大きく変化したのは、6回にジェレミー・ペーニャへ投じた6球目で、水平方向に20インチ(約50.8センチ)も曲がったというのだ。

 また、この日のスライダーは18インチ(約45.7センチ)以上も動いたのが35球中9球もあったと判明。安定して大きな変化量を誇り、どこからか「グイーンッ」という効果音も聞こえてきそうなキレ味だった。

 そんな大谷の“新魔球”には、味方捕手も脱帽している。試合後にマックス・スタッシは、「彼の感覚が良かったんだ」と全81球中35球にのぼったスライダーの多投理由を告白し、次のように語った。

「凄まじい集中状態だったよ。容赦なく相手の嫌うゾーンを攻めていたし、彼はこれまでに見たなかでも最高レベルだった。ショウヘイによくあることだけど、『今日はこの球種の調子がいいから』、『この球種に自信があるから』、といって突然配球のプランを変えるんだ。今日はそれがスライダーだったというだけだ。でも、凄いボールだった」

 スタッシが「試合を通してかなり集中していた。アメージングだった」と褒めちぎった大谷の投球。その日のベストボールを巧みに活かす“らしさ”が、アストロズをも寄せ付けない快投を生んだ。

構成●THE DIGEST編集部

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