少なくとも日本にとっては喜ばしくない一件が、メジャーリーグの球場で見られてしまった。
現地時間5月13日に行なわれたニューヨーク・メッツ対シアトル・マリナーズの一戦。メッツの本拠地シティ・フィールドではこの日、日本に野球が伝えられてから150周年を祝したイベント「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」が催された。
試合前のセレモニーでは、過去にメッツと縁のある人物たちのメッセージが電光掲示板に映し出され、メッツに在籍していた新庄剛志ビックボス、元監督のボビー・バレンタイン、同じ都市の“憎き”ニューヨーク・ヤンキースで活躍した松井秀喜らが登場(ゴジラはライバルチームとあってブーイングも聞かれた)。さらにはニューヨークに拠点を構える日本領事館の森美樹夫大使の始球式も予定されていた。だが、こちらは残念ながら実現しなかった。
この日は雨天の影響で試合開始時間が遅れるとのアナウンスがされていたのだが、雨足が試合に影響はないとのことで急きょ、通常通りのスケジュールに戻ったことでドタバタ。選手たちのウォームアップが始まった。
メッツの先発マックス・シャーザーは集中しながらマウンドで投球練習を開始すると、ここで森大使も始球式のためにマウンド付近まで歩みを進めて準備。がしかし、球界屈指の右腕は一瞥することなく淡々と投げ込み、森大使は球団スタッフに呼びかけられて慌ててグラウンドを後にすることに。結局、始球式も中止になったのだった。
【動画】森大使も思わず困惑。物議を醸したシャーザーの投球練習シーン
あまりに冷静すぎるシャーザーの“振る舞い”に対し、嫌悪感を覚える方は日米問わずいるだろうが、地元紙『New York Post』は「明らかに、シャーザーに全責任があるわけではない。球団の手際がひどすぎた」と、メッツの組織を断罪している。
通常、メジャーリーグの始球式の多くは、試合直前よりもかなり前に設定され、選手がウォームアップしているところで行われることはない。シャーザー以外の選手たちもフィールドで準備しており、メッツナインは“いつも通り”のルーティンをこなしていたことを考えると、球団から何の連絡もなかったと思われる。
「タイミングとプロセスに混乱を生じさせる事情が起きた」とメッツ球団が釈明している通り、完全に球団運営の不手際が、今回の始球式中止を招く結果になったのだ。試合開始がごたついた時点で森大使に中止の一報をしていれば、少なくとも選手たちに邪見にされたように映る姿をさらさずに済んだはずで、球団の失態以外の何物でもないだろう。
メッツは「後日に始球式の舞台を用意できるよう調整している」としたものの、「まったく起こす必要のなかった国際的問題だ」(ハーバード大卒の歴史家クリストファー・ニコルズ氏)という声もあるように、問題視する声も現地で上がっている。
構成●THE DIGEST編集部
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現地時間5月13日に行なわれたニューヨーク・メッツ対シアトル・マリナーズの一戦。メッツの本拠地シティ・フィールドではこの日、日本に野球が伝えられてから150周年を祝したイベント「ジャパニーズ・ヘリテージ・ナイト」が催された。
試合前のセレモニーでは、過去にメッツと縁のある人物たちのメッセージが電光掲示板に映し出され、メッツに在籍していた新庄剛志ビックボス、元監督のボビー・バレンタイン、同じ都市の“憎き”ニューヨーク・ヤンキースで活躍した松井秀喜らが登場(ゴジラはライバルチームとあってブーイングも聞かれた)。さらにはニューヨークに拠点を構える日本領事館の森美樹夫大使の始球式も予定されていた。だが、こちらは残念ながら実現しなかった。
この日は雨天の影響で試合開始時間が遅れるとのアナウンスがされていたのだが、雨足が試合に影響はないとのことで急きょ、通常通りのスケジュールに戻ったことでドタバタ。選手たちのウォームアップが始まった。
メッツの先発マックス・シャーザーは集中しながらマウンドで投球練習を開始すると、ここで森大使も始球式のためにマウンド付近まで歩みを進めて準備。がしかし、球界屈指の右腕は一瞥することなく淡々と投げ込み、森大使は球団スタッフに呼びかけられて慌ててグラウンドを後にすることに。結局、始球式も中止になったのだった。
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あまりに冷静すぎるシャーザーの“振る舞い”に対し、嫌悪感を覚える方は日米問わずいるだろうが、地元紙『New York Post』は「明らかに、シャーザーに全責任があるわけではない。球団の手際がひどすぎた」と、メッツの組織を断罪している。
通常、メジャーリーグの始球式の多くは、試合直前よりもかなり前に設定され、選手がウォームアップしているところで行われることはない。シャーザー以外の選手たちもフィールドで準備しており、メッツナインは“いつも通り”のルーティンをこなしていたことを考えると、球団から何の連絡もなかったと思われる。
「タイミングとプロセスに混乱を生じさせる事情が起きた」とメッツ球団が釈明している通り、完全に球団運営の不手際が、今回の始球式中止を招く結果になったのだ。試合開始がごたついた時点で森大使に中止の一報をしていれば、少なくとも選手たちに邪見にされたように映る姿をさらさずに済んだはずで、球団の失態以外の何物でもないだろう。
メッツは「後日に始球式の舞台を用意できるよう調整している」としたものの、「まったく起こす必要のなかった国際的問題だ」(ハーバード大卒の歴史家クリストファー・ニコルズ氏)という声もあるように、問題視する声も現地で上がっている。
構成●THE DIGEST編集部
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