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MLB

ルースやボンズ、ソーサはどうだった? 地元局の演出に苦言を呈した米リポーターの「大谷ばっかり」批判に抱く“違和感”

THE DIGEST編集部

2022.05.17

球界で唯一無二の存在である大谷。そんな彼の取り上げ方に対する批判は波紋を広げている。(C)Getty Images

球界で唯一無二の存在である大谷。そんな彼の取り上げ方に対する批判は波紋を広げている。(C)Getty Images

「エンジェルスの放送局……。オオタニの話ばっかり。もう十分だから野球の話をして!」

 これは米放送局『NBC Sports』などで長年スポーツ中継に携わってきたベテランリポーターのミケーレ・タフォヤさんが、今月14日(現地時間)に行なわれたオークランド・アスレティックス戦の中継を見て、世に放ったツイートだ。

 ダブルヘッダーが行なわれたこの日は、エンジェルスの大谷翔平が出色のパフォーマンスを披露。とりわけ第2試合ではMLB通算100号ホームランを放ち、MLB史上でもベーブ・ルースだけだった100本塁打&250奪三振の達成者となったのである。日夜エンジェルスのあらゆる情報を発信する地元局『Bally Sports West』が手厚く取り扱わないわけがない。

 もっとも、このダブルヘッダーで他に取り扱うべきネタがなかったわけではない。第1戦ではアスレティックスが劇的なサヨナラ勝ちを収めていたし、第2戦ではエンジェルスのテイラー・ウォードがグランドスラムも放っていた。だからこそ、タフォヤさんは「オオタニの話ばっかり」と訴えたのだろう。

 だが、どうだろうか。大谷が放った100号アーチは単なる100本ではなく、“野球の神様”と称されたレジェンドしか達せなかった記録に並ぶ一発。仮にタフォヤさんが同局のコメンタリーだとして、それを無視することが出来ただろうか。

【動画】ついにメジャー通算100号! 大谷が放った7号2ランをチェック
 さらに彼女は「オオタニの話ばっかり」だというが、個人に異様な脚光が浴びせられる光景はMLBの歴史で幾度も観られてきたはずだ。1998年に壮絶な本塁打王争いを演じたサミー・ソーサとマーク・マグワイア、2001年にシーズン最多本塁打(73本)を放ったバリー・ボンズ、そして何よりルースがそうであったに違いない。むしろ、彼らを追った当時のメディアの演出に比べれば、『Bally Sports West』のそれは過剰ではないように見える。

 間違いなく大谷がやっているのは球史に残る偉業だ。それに対して人々が興味関心を抱くのは無理もない。また、それこそが野球人気回復に繋がるキッカケになり得る。だからこそ、タフォヤさんの意見には違和感を抱かずにはいられなかった。

 無論、現地でもタフォヤさんのツイートには反論が相次いだ。そのなかで、もっとも腑に落ちたのは、米メディア『Defector』のジャーナリストであるレイ・ラット氏のレポート内での一文だ。

「この数十年、いや数百年で、野球界が生み出した最も素晴らしい選手が、『はっきり言って迷惑だ』というこの指摘は奇妙な世界観のように思える。しかし、我々が思っている以上にオオタニという存在が一般的にも浸透しているということなのかもしれない。もちろん、オオタニの露出が過剰に演出されているというわけではない」

 嫌よ嫌よも好きのうちとはよく言ったもの。タフォヤさんのような意見があるのは、ある意味で大谷の人気度を物語っていると言えるのかもしれない。

構成●THE DIGEST編集部

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