注目の日本人対決が実現した。

　現地時間５月28日、ロサンゼルス・エンジェルスがトロント・ブルージェイズと本拠地で対戦。「２番・DH」で２試合ぶりにスタメン復帰した大谷翔平（エンジェルス）と花巻東の先輩でもある菊池雄星（ブルージェイズ）が相対した。

　昨年７月17日以来となった両雄の対戦は初回に巡ってきた。エンジェルスが１点を追う１死無塁の場面で打席に立った大谷は、カウント１-２から90マイル（約144.8キロ）のスライダーを打ちにいくも引っかけてしまい、“大谷シフト”で一、二塁間付近を守っていたショートに難なくさばかれるゴロとなって凡退した。

　この日は菊池が“偉才”に対して見せ場を与えない。通算対戦成績では12打数４安打２本塁打と打たれている左腕だが、３回の対戦ではカウント１-２から外角低めへの90.9マイル（約146.2キロ）の絶妙なスライダーで空振り三振。さらに５回の無死一塁で迎え撃った場面でも、３球目に投じたインハイへの95.7マイル（約154キロ）の４シームをセンターへと弾き返されるも、やや詰まらせて、フライアウトに打ち取っていた。
  　その５回裏に２失点を喫して逆転を許した菊池は、同イニングを投げ切ったところで降板。惜しくも３勝目とはならなかったが、７回表にチームが逆転に成功して、黒星はつかなかった。

　エンジェルスがふたたびリードを広げられたなかで、大谷は７回裏に先頭打者として、相手３番手のジュリアン・メリウェザーと対峙。ここはカウント２-２からインハイに投じられたボールが右ひじをかすめて死球となり、この試合初めて出塁する。

　そして、直後のマイク・トラウトが今季第13号となる逆転２ランホームランを放ち、一気に試合をひっくり返したエンジェルスは継投策で逃げ切りを図る。しかし、それが誤算となった。

　８回にマウンドに立ったカイル・ベアクローが先頭打者から２者連続四球でピンチを招くと、１死を取ってから送り出したアーロン・ループが２死までは取るも、なおも走者を一、二塁に置いた場面でマット・チャップマンに痛恨のタイムリーツーベースを打たれ、またも勝ち越しを許したのだ。

　その後にさらにもう１点を加えられたエンジェルスは、ブルージェイズの中継ぎ陣を打ち崩せない。８回には２死無塁の場面で大谷がこの日５度目の打席に立つが、相手右腕トレバー・リチャーズを前に、２度もバットを折られた末に、最後は力のないライトフライに打ち取られた。

　その後、９回に１点差まで詰め寄りながらも５対６で競り合いを落としたエンジェルス。打線の援護射撃を投手陣が活かしきれないという昨季にも見られたような苦しい内容で、痛恨の４連敗となった。

　この日は得意としていた菊池に完全に封じられてしまい、３打数無安打（１四球）と沈黙した大谷。ブルージェイズとの連戦最後となる明日の試合では、５月25日のテキサス・レンジャーズ戦以来となる一発が期待される。

構成●THE DIGEST編集部
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