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「全くもって憎ったらしい」土壇場で魅せた大谷翔平の“ノーノー破り”に元ドジャース戦士は皮肉!「彼も投手なのに」

THE DIGEST編集部

2022.06.16

いわば“カモ”にしてきたアンダーソンから最後の最後で貴重な一打を放った大谷。そのノーヒッターを破るヒットは、ドジャースの地元局でも話題となった。(C)Getty Images

いわば“カモ”にしてきたアンダーソンから最後の最後で貴重な一打を放った大谷。そのノーヒッターを破るヒットは、ドジャースの地元局でも話題となった。(C)Getty Images

 ロサンゼルス・ドジャース左腕の目前に迫った偉業を阻んだのは“天敵”だった。

 現地時間6月15日に本拠地ドジャースタジアムで行なわれたロサンジェルス・エンジェルス戦で、ドジャースの先発左腕タイラー・アンダーソンはノーヒットノーランの達成に向けて快調に飛ばしていた。

 そして9回122球を投げて1死無塁という局面で迎えたのが、「3番・DH」でスタメン出場していたエンジェルスの主砲であり、アンダーソンにとっては“天敵”と言える大谷翔平だった。

 昨年の対戦でアンダーソンは大谷に対して3打数3安打(1本塁打、3三塁打)と打たれまくっていた。とりわけプレーオフ進出が掛かっていたシアトル・マリナーズの貴重な戦力として迎えたシーズン最終戦では、球界屈指の天才ヒッターに先頭打者アーチを被弾。全くと言っていいほどいい記憶がないのだ。

 もっとも、今季初対戦となったこの日は、文字通りあの手この手で難敵を抑えていた。第1打席と第2打席はともに内と外のコースを巧みに投げ分けて空振り三振に切って取ると、第3打席もショートゴロといとも容易く凡退させていた。その途中には、3段モーションにも見えるゆったりとしたペースで投げ込めば、スリークォーター気味のフォームをサイドスローに変えるなど、さまざまな工夫を凝らした。
 
 だが、大谷は最後の最後でアンダーソンを攻略した。初球に外角高めへと投じられた86.9マイル(約139.8キロ)のカットボールを捉えると、痛烈なライト線へと飛んだ。これをゴールドグラブ5回の名手ムーキー・ベッツが懸命に追ってダイブしたが、ボールはグラウンドへと落下。見事に記録を破った大谷は快足を飛ばして三塁まで到達した。

 9回1死まで来てのノーヒッター阻止を食らったアンダーソンはここで降板。ドジャース・ファンからはスタンディングオベーションで迎えられるとともに、記録を破った大谷にはブーイングがこだました。

 試合後、地元放送局『SportNet LA』のハイライト番組では、123球の熱投を見せたアンダーソンを評価する一方で、大谷への敬意を込めた皮肉が語られた。「彼は自分もピッチャーだというのに」とは番組に出演した元ドジャースのジェリー・へアストンJr.氏だ。

「今日はショウヘイ・オオタニのスリーベースヒットによってノーノーは破られた。そしてアンダーソンがマウンドを降りる際には、オオタニすらもスタンディングオベーションをしていたね。まったくもって憎ったらしい(笑)。相手ピッチャーが歴史を作ろうっていうのに『さぁ俺がスリーベースで破ってやった』っていう感じだった(笑)」

 偉業を阻み、またも米球界で存在感を誇示した大谷。惜しくもチームは1対4で完敗を喫したが、彼はロサンゼルスに小さくないインパクトを残した。

構成●THE DIGEST編集部

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