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MLB

やはり強調したい大谷翔平の凄さ。エンジェルスの悲惨な現状にも米球界で賛辞は絶えず「オオタニの偉大さを評価しなければ」

THE DIGEST編集部

2022.07.09

チームが苦しむなかでもしっかりと成績を残している大谷。そのパフォーマンスに対する賛辞は収まることはない。(C)Getty Images

チームが苦しむなかでもしっかりと成績を残している大谷。そのパフォーマンスに対する賛辞は収まることはない。(C)Getty Images

 大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は稀有なプレーヤーだ。ただ単に投打の二刀流をプレーしているだけでなく、その両方で球史に残る結果を出しているから素晴らしい。

 去る7月6日に行なわれたマイアミ・マーリンズ戦は、彼の真骨頂がはっきりと見られた一戦だった。今季14度目の先発登板を果たした大谷は、投げては7回(100球)、被安打2、10奪三振で8勝目。打っては3打数1安打(1四球)、2打点、1盗塁を記録。打点が1920年に公式記録とされてからは史上初めてとなる「1試合で二桁奪三振+2打点+盗塁を記録した選手」となった。

 MLB史に名を刻んだ偉才が、この試合で残した記録はそれだけではない。自責点が公式記録となった1913年以降の投手としては、史上8人目となる「4先発で自責点ゼロ+40奪三振以上」もやってのけた。ちなみに過去にこれをやった7人はマックス・シャーザーやクレイトン・カーショウ、ヨハン・サンタナなど、サイ・ヤング賞を手にした実績を持つ好投手ばかりなのだが、いずれも投手専任。打者としては平凡以下である。その事実だけでも大谷の凄まじさを感じ取れる。

 いまや球史に残るスーパースターの領域に達した感もある大谷。そんな天才がいるからこそ、エンジェルスの現状にはもどかしさを感じずにはいられない。現地時間7月7日時点で、同じアメリカン・リーグ西地区で首位に立つヒューストン・アストロズとは17ゲーム差と大きく差を開かれ、8年ぶりのプレーオフ進出は早くも現実味がなくなってきているのだ。
 
 だが、チーム状況が深刻化するなかでも、大谷の功績を称えるべきという声は絶えない。それも彼の凄いところである。エンジェルスの公式ラジオ番組やポッドキャストでキャスターを務めているトレント・ラッシュ氏は「オオタニはシンプルに前例がない存在だ。もっと楽しもう」と訴えている。

「プレーオフにばかりこだわれば、レギュラーシーズンの162試合での美しさを忘れてしまうことがある。彼がやっていることは現代版のディ・マジオやノーラン・ライアン、テッド・ウィリアムスと言えるぐらいに凄いことなんだ。もうこんなことは二度とない」

 そう熱弁を振るうラッシュ氏は、もちろん負けが込んでいるエンジェルスの現状には「負けることは許されないし、今シーズンは例年よりもチームが悔しい想いをしているのは知っている」と言及。そのうえで、「しかし、オオタニの偉大さを楽しみ、そして評価しなければ」と続けている。

「いま、エンジェルスを愛する誰もが、この現状には納得していないし、憤慨している。それは確かだ。だけど、オオタニの輝きはそれを超越して注目すべきものがあるんだ。もはやエンジェルスだけのことではない。もう野球界の伝説なんだ」

 チームの負けが込み、日々プレッシャーのかかる場面であっても、最高のパフォーマンスを残し続ける大谷。そんな天才には、脱帽させられるばかり。やはり彼は他の選手にない何かを持っていると強調せずにはいられない。

構成●THE DIGEST編集部

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