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「オオタニは最高だ」という相手の賛辞が皮肉に。大谷翔平を“孤立無援”に追い込んだエ軍のもどかしい現状

THE DIGEST編集部

2022.07.23

終盤7回に大量失点を喫し、降板を余儀なくされた大谷。この日は味方の援護が得られずに苦しんだ。(C)Getty Images

終盤7回に大量失点を喫し、降板を余儀なくされた大谷。この日は味方の援護が得られずに苦しんだ。(C)Getty Images

 ついに“大谷でしか勝たん”という状況でさえも勝てなかった。

 現地時間7月22日に敵地で行なわれたアトランタ・ブレーブス戦で、ロサンゼルス・エンジェルスは1対8と完敗。「1番・DH兼投手」で先発した大谷翔平は6回まで6回までは71球、無失点、被安打1、11奪三振と力投も、「なかなか最後は厳しい感じだった」と本人が猛省した7回に一挙6失点を喫し、ベーブ・ルースが1918年に達成して以来、104年ぶりとなる「シーズン二桁勝利&二桁本塁打」の偉業は持ち越しとなった。

「投手・大谷」の連勝も6で止まり、チームの連敗は3に伸びた。これで直近1か月の成績は5勝16敗と大きく負け越し。気づけば、エンジェルスは開幕当初に首位に立っていたアメリカン・リーグの西地区でも現1位のヒューストン・アストロズとは22.5ゲーム差と大きく引き離され、プレーオフ進出は風前の灯火になっている。

 もっとも、このブレーブス戦の大谷の投球は完璧に近いものだった。それは「空振りも取れてましたし、球数の調整もうまくできていたと思います」と振り返った本人はもちろんとして、相手打者もしっかりと感じ取っていた。この日、7回にダメ押しの3ランホームランを放ったオーランド・アルシアは、試合後に地元放送局『Bally Sports: Braves』の取材に応じた際に、対峙した偉才の力を称えた。

「オオタニは驚異的な働きぶりだったと思うよ。彼には尊敬以外の何もないよ。オオタニは最高だ。でも、27個のアウトを取られるまでは何が起きるかは分からない。ああいう展開でも変化を起こすことはできるんだ」
 
 相手が「驚異的だ」と認めるほどのパフォーマンス。そんなエースの力投を活かせないエンジェルスには、やはりもどかしさを抱かずにはいられない。今日は相手先発のチャーリー・モートンからチャンスを創出していたからなおさらだ。4回には1死満塁の絶好機を作ったが、6番のジョナサン・ビアーがたった2球でダブルプレーと凡退。粘りを見せられずに要所で凡打の山を築いた。

 先頭打者として起用されながら3打数ノーヒット(2三振)に抑えられた「打者・大谷」に全く責任がないとは言わない。だが、投手としての責任を全うしていた彼を全く援護できず、“孤立無援”の状況に追い込んでしまった他の野手陣に対する責任の比は大きいと言わざるを得ない。

 主砲マイク・トラウトが故障による離脱を余儀なくされたここ1か月でのチーム打率はわずか.200。チームのWARも-0.6ともはや課題は山積みだ。この悲惨な現状では、大谷のトレードなど、主力の移籍話が米メディアで繰り返されてしまうのも無理はない。

構成●THE DIGEST編集部

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