プロ野球

【前半戦通信簿:中日】石川昂ら故障者が続出して最下位に低迷。立浪監督の決断力にも疑問符<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.07.27

待望の監督就任を果たした元“ミスター・ドラゴンズ”こと立浪も、場当たり的な采配が。写真:滝川敏之

中日
38勝50敗1分 勝率.432(6位/17.0ゲーム)
平均得点:2.88(6位)
平均失点:3.75(3位)
得失点差:-78(6位)

▼前半戦通信簿:がんばりましょう
 開幕当初のあの胸の高鳴りはどこへ……と感じているドラゴンズファンは少なくないではないか。現役引退から12年の歳月を経てようやく立浪和義新監督が就任し、岡林勇希、石川昂弥、鵜飼航丞、高橋宏斗が一軍の主力選手として台頭。5月半ばまではそうした若手たちが新しい風をチームに吹き込み、特に石川昂と鵜飼はチーム待望の長距離砲として高い可能性を感じさせていた。

 だが、石川昂が5月27日のオリックス戦で左ヒザ十字靱帯不全損傷で離脱、鵜飼も不振で6月下旬に二軍へ降格後に左下腿三頭筋を故障。他にも投打に怪我人が相次ぎ、気付けば最下位で前半戦を折り返すことになった。

 打線は平均得点、本塁打数ともリーグワーストと相変わらず低調。四球率5.7%も同じくワーストで、出塁も長打も期待できないとあっては点が入らないのも納得だ。ポジション別で見ても、得点貢献度を表すwRAAは捕手以外はいずれもマイナス。投手陣も防御率リーグ5位(3.57)と、絶対投手有利のバンテリンドームを本拠にしていることを思えば物足りない数字。

 結果以上に気になるのは、立浪監督およびチームの方針が場当たり的に見えることだ。根尾昂を外野から遊撃に戻すまでは良かったが、ほとんどショートで使わないまま今度は投手転向を決定。長打力不足が深刻ななか、打力に課題を抱え、タイプ的にも加藤翔平などと重なる後藤駿太のトレードも意図が見えにくかった。
 
▼後半戦のポイント
・1~3番で点を取れる打線に

 打順別の出塁率を見ると、1番は.360とまずまずだが2番が.286、3番にいたっては.267と極端に低く、特に3番は7月だけで11人(!)も起用。そのなかには山下斐紹や後藤も含まれる。いくら故障者続出という状況でも、これでは自ら得点の確率を低くしているに等しい。「2番=小技が上手い選手」「打線の中心=4番」という固定観念を捨て、ビシエドの3番起用も含めて上位で得点が入る可能性が高くなる形を作りたい。

・土田、石橋ら若手の積極起用

 前半戦最大の収穫は言うまでもなく岡林、高橋宏の成長だった。後半戦も、2人と同様にチームの未来を担う若手選手を実戦で起用しながら力量を見極めたい。根尾の投手転向、京田の二軍降格で遊撃定着を得た高卒3年目の土田龍空を筆頭に捕手の郡司裕也と石橋康太、さらにはまだ一軍であまり出場機会を得ていない三好大倫、福元悠馬らにもチャンスを与えたい。

文●SLUGGER編集部

データ提供:DELTA
 
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