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足を踏まれても出続けた大谷翔平に最敬礼! 元ロッテの名将バレンタインも目を見張った精神力「サムライの魂を持っている」

THE DIGEST編集部

2022.08.09

二刀流の負担は大きく、決して状態は芳しくはない。それでも大谷はひたむきにプレーし続け、声価を高めている。(C)Getty Images

 真剣勝負の場で起きた予期せぬ接触プレーに球場全体もざわついた。

 現地時間8月7日に行なわれたシアトル・マリナーズ戦で、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)は、不可抗力のアクシデントに苛まれた。

 3回の第2打席に入る直前だ。二塁ランナーのフィル・ゴスリンがテイラー・ウォードのレフト前ヒットでホームに突入する際、アシストのために本塁後方へ移動した大谷は、送球カバーに回っていた相手先発投手マルコ・ゴンザレスと接触。左足を踏まれてしまったのだ。

 踏まれた瞬間に顔をゆがめた大谷は、その場で腰を落として苦悶の表情を浮かべた。しかし、ここで彼は下がらなかった。すぐさまベンチから駆け付けてきたトレーナーと少しだけ会話を交わした背番号17は、そのまま打席へと入ってプレーを続けたのだ。

 試合後にゴンザレスが「僕がオオタニの足を壊してしまったかと思った。ハッキリ言って、気分は良くなかった」と語ったことからも、相当な衝撃が大谷の左足にかかったのは想像に難くない。エンジェルスを率いるフィル・ネビン監督代行は「オオタニは大丈夫だ。問題ない」と強調したが、プレー直後の表情から察するに痛みもかなりのものだったはずだ。
 
 それでも最終回までプレーし続けた大谷のタフさは、あらためて称賛の的となっている。マリナーズ戦後に地元放送局『Bally Sports West』のハイライト番組に出演した元ニューヨーク・メッツ監督のボビー・バレンタイン氏は「オオタニの存在感を表現するのは簡単じゃないが、彼はサムライのような不屈の魂を持っているね」と褒めちぎった。

 かつて千葉ロッテマリーンズを指揮した経験があるバレンタイン氏。日本人のメンタリティーを熟知している同氏は、大谷が持つという「サムライの精神力」について、こうも力説している。

「つまりオオタニは最後の最後、自分ひとりになってでもグラウンドに立ち続けるつもりなんだ。『どんなことも自分をひれ伏せさせることはできないぞ』という考え方さ。今日の相手ピッチャーとの接触プレーで骨折をしたかもしれない。それでも彼は試合に出続けたんだ。これ以上にない、手本となるような素晴らしい選手だと言える」

 先月25日のカンザスシティ・ロイヤルズ戦で自打球が当たった右膝上は、まだ青いアザとなっている。それも含めて決して万全と言える状態ではない。それでもグラウンドに立ち、プレーをし続ける姿は勇ましい。そして、マイク・トラウトやアンソニー・レンドーンといった主力の故障が相次ぐチーム状況からすれば、何よりも頼もしい。

 無論、無茶は禁物だ。しかし、以前から「最後まで健康で出続けることが一番かなと思います」と公言してきた"偉才"のタフさには、ただただ脱帽するしかない。

構成●THE DIGEST編集部

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