第104回全国高校野球選手権大会も準々決勝が終了。ベスト4が出揃ったが、この日に登場したプロ注目の選手たちの活躍ぶりを振り返る。
●浅野翔吾(高松商3年・外野手):5打席4打数3安打1本塁打2打点1盗塁
チームは1点差で敗れたものの、今大会3号となる一発を含む3安打とあわやサイクルヒットの大活躍を見せた。ホームランにしたのはやや甘いボールだったが、146キロのスピードボールで、それをセンターバックスクリーンに楽々と運ぶのはやはり只者ではない。
また、第1打席の二塁打はスライダー、第3打席のレフト前ヒットはツーシームと、いずれも追い込まれてからの決め球に対して身体を残しながら捉えたもので、対応力の高さも示した。今大会トータルで見ても最も強烈なインパクトを残した野手であることは間違いなく、ドラフト1位指名の可能性も高いだろう。
【動画】場内どよめき! 浅野翔吾が高校通算67号をバックスクリーンに叩き込む
●山田陽翔(近江3年・投手):7回1/3 被安打9 6失点 10奪三振 7四死球
浅野には3安打を許し、7四死球と明らかに過去の3試合と比べると出来は良くなかった。だが、それでも10三振を奪うなど、さすがという投球を見せてチームを勝利に導いた。初回の1死三塁のピンチでは明らかにギアを上げて無失点で切り抜けるなど、疲れの無い状態であれば、ここ一番で狙って三振を奪えるというのは大きな魅力である。
ただ、どうしても気になったのは、足が痙攣した後の8回の投球だ。明らかに踏ん張りがきかず、コントロールも乱していた。悲願の優勝までは残り2試合だが、一人で投げ切るのは現実的ではないため、準決勝はリリーフに回ることも検討すべきだろう。
●仲井慎(下関国際3年・遊撃手兼投手):3回1/3 被安打3 無失点 4奪三振 0四死球
「3番・遊撃」で下関国際の中心選手だが、この試合はリリーフでの快投でチームの勝利に大きく貢献した。1点を勝ち越された6回裏2死満塁の場面でマウンドに上がると、大阪桐蔭4番の丸山一喜を146キロのストレートで空振り三振。7回には自らのエラーもあって無死一、二塁のピンチを招いたが、続くバント処理では素早い動きでトリプルプレーも完成させた。
そして圧巻だったのが、逆転した後の9回裏の投球である。プレッシャーのかかる場面でもまったく臆せずにストライク先行で投げ切り、三者凡退で試合を締めてみせた。卒業後は野手で勝負するという話も聞くが、投手としての道も再考しても良いのではと思うほどの見事なピッチングだった。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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●浅野翔吾(高松商3年・外野手):5打席4打数3安打1本塁打2打点1盗塁
チームは1点差で敗れたものの、今大会3号となる一発を含む3安打とあわやサイクルヒットの大活躍を見せた。ホームランにしたのはやや甘いボールだったが、146キロのスピードボールで、それをセンターバックスクリーンに楽々と運ぶのはやはり只者ではない。
また、第1打席の二塁打はスライダー、第3打席のレフト前ヒットはツーシームと、いずれも追い込まれてからの決め球に対して身体を残しながら捉えたもので、対応力の高さも示した。今大会トータルで見ても最も強烈なインパクトを残した野手であることは間違いなく、ドラフト1位指名の可能性も高いだろう。
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●山田陽翔(近江3年・投手):7回1/3 被安打9 6失点 10奪三振 7四死球
浅野には3安打を許し、7四死球と明らかに過去の3試合と比べると出来は良くなかった。だが、それでも10三振を奪うなど、さすがという投球を見せてチームを勝利に導いた。初回の1死三塁のピンチでは明らかにギアを上げて無失点で切り抜けるなど、疲れの無い状態であれば、ここ一番で狙って三振を奪えるというのは大きな魅力である。
ただ、どうしても気になったのは、足が痙攣した後の8回の投球だ。明らかに踏ん張りがきかず、コントロールも乱していた。悲願の優勝までは残り2試合だが、一人で投げ切るのは現実的ではないため、準決勝はリリーフに回ることも検討すべきだろう。
●仲井慎(下関国際3年・遊撃手兼投手):3回1/3 被安打3 無失点 4奪三振 0四死球
「3番・遊撃」で下関国際の中心選手だが、この試合はリリーフでの快投でチームの勝利に大きく貢献した。1点を勝ち越された6回裏2死満塁の場面でマウンドに上がると、大阪桐蔭4番の丸山一喜を146キロのストレートで空振り三振。7回には自らのエラーもあって無死一、二塁のピンチを招いたが、続くバント処理では素早い動きでトリプルプレーも完成させた。
そして圧巻だったのが、逆転した後の9回裏の投球である。プレッシャーのかかる場面でもまったく臆せずにストライク先行で投げ切り、三者凡退で試合を締めてみせた。卒業後は野手で勝負するという話も聞くが、投手としての道も再考しても良いのではと思うほどの見事なピッチングだった。
文●西尾典文
【著者プロフィール】
にしお・のりふみ。1979年、愛知県生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。アマチュア野球を中心に年間400試合以上を取材。2017年からはスカイAのドラフト中継で解説も務め、noteでの「プロアマ野球研究所(PABBlab)」でも多くの選手やデータを発信している。
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