“どちらも”ヒストリカルな活躍を続けている。だからこそ、アメリカン・リーグを巡る論争は白熱する。
冒頭の“どちらも”とは、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)だ。今季の両雄は揃ってMLBの歴史に残る結果を残しており、タイトルレースは熾烈を極めている。
昨季に日本人史上2度目のMVPを手にした大谷はMLB史上初となる「シーズン30本塁打&2桁勝利」を達成するなど今季も投打で好調を維持。打っては34本塁打、OPS.893をマークしながら14勝を挙げている。かたやジャッジも史上4人目となるシーズン60本塁打を記録。ロジャー・マリスが1961年に打ち立てたア・リーグのシーズン記録となる61本まで1本差に迫っているのは、もはや周知の通りだ。
圧倒的な活躍を見せる“偉才”と“怪物”が他の追随を許さず、MVP争いは一騎打ちの様相を呈している。ゆえに米メディアでも連日のように二人の争いは、高い注目を集めるとともに、激しい論争を巻き起こしている。
あらゆる意見が飛び交うなかで、カナダのスポーツ専門サイト『the Score』は「MVPはジャッジとオオタニのどっちだ」と銘打った特集記事を公開。「ジャッジ派」と「大谷派」のそれぞれの意見を掲載した。
まず、同メディアでジャッジを推挙するシャーキー・ゴットリーブ記者は「オオタニには敬意を表するが、ジャッジは歴史的な快進撃を見せている。今季の60本塁打は彼が紡いでいる物語の始まりに過ぎない。全体的なスタッツを見ても、彼が単なるホームラン打者以上のものであることは証明されている」と断言。そして、次のように続けた。
「私はオオタニを愛している。きっと誰もが同じはずだ。彼は二度と見られない一生に一度の野球のユニコーンだ。だが、彼が投手でなかったらどうだろう? もし、オオタニが投手として投げないレギュラーの外野手であったなら、こうした話題には出てこないだろう」
無論、大谷を推挙する声も『the Score』は掲載。ブラッド・バーン記者は「真の『一生に一度』を探し求めるならば、史上初の『シーズン30本塁打&2桁勝利』をあげたオオタニに注目すべきだ。2021年の彼でさえできなかったことをやったのだ」と、その唯一無二ぶりを強調。そして、こう論じた。
「オオタニは自分以外に敵がいない境地に達しつつある。これは"価値"の話だ。この曖昧な言葉を定義する方法は無数にある。そのうちのひとつは、選手がチームにとって、何をもたらしているかということが関係する。たしかにジャッジはどのチームにおいてもトップクラスに重要な存在になりえる。しかし、オオタニはエンジェルスのためにすべてを提供している。彼はこれまで誰もやったことのないことをやっている」
もはや、個人の野球観が問われていると言っても過言ではない同レース。その行方はレギュラーシーズンが佳境を迎えるなかで、最後まで大きな話題となりそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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冒頭の“どちらも”とは、大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)とアーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)だ。今季の両雄は揃ってMLBの歴史に残る結果を残しており、タイトルレースは熾烈を極めている。
昨季に日本人史上2度目のMVPを手にした大谷はMLB史上初となる「シーズン30本塁打&2桁勝利」を達成するなど今季も投打で好調を維持。打っては34本塁打、OPS.893をマークしながら14勝を挙げている。かたやジャッジも史上4人目となるシーズン60本塁打を記録。ロジャー・マリスが1961年に打ち立てたア・リーグのシーズン記録となる61本まで1本差に迫っているのは、もはや周知の通りだ。
圧倒的な活躍を見せる“偉才”と“怪物”が他の追随を許さず、MVP争いは一騎打ちの様相を呈している。ゆえに米メディアでも連日のように二人の争いは、高い注目を集めるとともに、激しい論争を巻き起こしている。
あらゆる意見が飛び交うなかで、カナダのスポーツ専門サイト『the Score』は「MVPはジャッジとオオタニのどっちだ」と銘打った特集記事を公開。「ジャッジ派」と「大谷派」のそれぞれの意見を掲載した。
まず、同メディアでジャッジを推挙するシャーキー・ゴットリーブ記者は「オオタニには敬意を表するが、ジャッジは歴史的な快進撃を見せている。今季の60本塁打は彼が紡いでいる物語の始まりに過ぎない。全体的なスタッツを見ても、彼が単なるホームラン打者以上のものであることは証明されている」と断言。そして、次のように続けた。
「私はオオタニを愛している。きっと誰もが同じはずだ。彼は二度と見られない一生に一度の野球のユニコーンだ。だが、彼が投手でなかったらどうだろう? もし、オオタニが投手として投げないレギュラーの外野手であったなら、こうした話題には出てこないだろう」
無論、大谷を推挙する声も『the Score』は掲載。ブラッド・バーン記者は「真の『一生に一度』を探し求めるならば、史上初の『シーズン30本塁打&2桁勝利』をあげたオオタニに注目すべきだ。2021年の彼でさえできなかったことをやったのだ」と、その唯一無二ぶりを強調。そして、こう論じた。
「オオタニは自分以外に敵がいない境地に達しつつある。これは"価値"の話だ。この曖昧な言葉を定義する方法は無数にある。そのうちのひとつは、選手がチームにとって、何をもたらしているかということが関係する。たしかにジャッジはどのチームにおいてもトップクラスに重要な存在になりえる。しかし、オオタニはエンジェルスのためにすべてを提供している。彼はこれまで誰もやったことのないことをやっている」
もはや、個人の野球観が問われていると言っても過言ではない同レース。その行方はレギュラーシーズンが佳境を迎えるなかで、最後まで大きな話題となりそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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