球史を作り上げている天才が、快挙にあと少しまで迫るピッチングを披露した。
ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は現地時間9月29日、本拠地で行われたオークランド・アスレティックス戦に「3番・投手&DH」で先発出場すると、8回2死までノーヒットノーランを継続する圧巻の投球。最終的に8回2安打無失点、1四球10奪三振で15勝目を挙げ、打っても自己最長の14試合連続安打まで記録を更新している。
【動画】あわやノーヒッター! 大谷翔平、圧巻の10奪三振をチェック
この日は初回先頭に四球を出したものの、3番を併殺に打ち取って三者凡退。その後は「人生でこんなに投げたことのない」スライダーを多投して相手打線の狙いを狂わせ、8回も2人の打者を簡単に打ち取った。しかし、6番にカウント1―2からスライダーを合わせられて内野安打を許し、快挙は幻に終わった。
試合前までの段階で規定投球回に9イニングまで迫っており、「ノーヒットノーラン達成でW規定クリア」というシナリオは多くのファンにもよぎっただろうが、規定投球回到達はシーズン最終戦に持ち越しとなった。それでも、試合後に大谷が「今年の方が全体的な数字もいいです」と語るように、今季の大谷は満票でMVPを受賞した昨季を上回る成績を残しているのだ。
<2021年と2022年の成績推移>
【打率】.259(45位)→.275(25位)
【本塁打】46本(3位)→35本(4位)
【打点】100(13位)→94(6位)
【OPS】.964(2位)→.887(4位)
【勝利】9勝(55位)→15勝(3位)
【防御率】3.18(―)→2.35(4位)
【奪三振】156(42位)→213(3位)
【投球回】130.1(78位)→161.0(21位)
【奪三振率】10.77(―)→11.91(1位)
今シーズンからMLBでは“飛ばないボール”が導入され、球界全体で打低傾向となっている。だからこそ、そんな環境にあってア・リーグ記録に並ぶ61本塁打を放っているアーロン・ジャッジ(ヤンキース)の傑出ぶりは凄まじいわけだが、“打者・大谷”も十分に好成績を残している。
本塁打王に2本差まで迫る46発を放った昨季と比較して成績が下がっているとの声もあるが、35本塁打、OPS.887はともにリーグ4位と、今季も球界屈指のスラッガーとしての立ち位置を維持。実は、昨年の大谷の打率.259はMVP受賞者としては歴代最低の数字だったのだが、今季は自己最長の14試合連続安打を記録するなど率も向上。リーグ25位は決して高いとは言えないけれども、成長の跡を見せている。
とはいえ、驚異的なのはやはりピッチングだ。昨季は後半戦から徐々に調子を上げていたが、今季は“投手・大谷”が開幕から好調。スライダーの改良、シーズン途中からは新球シンカーも導入して確実な進化を遂げ、長いイニングをこなしながらも失点を抑え、2ケタ奪三振の試合も昨季の4から10試合まで増えている。
ベーブ・ルース以来104年ぶりの「2桁本塁打&2桁勝利」はもはや通過点に過ぎず、15勝はリーグ3位、防御率2.35は4位、213奪三振も3位と、サイ・ヤング賞候補にも上がる堂々の数字を残しているのだ。
「本塁打数リーグ4位、防御率もリーグ4位」――昨シーズンの大谷も、マンガで描くにしても“やりすぎ”と言われるレベルだったが、W規定を目前に迫った今季はより一層、理解できない存在へと昇華。データ分析会社『Codify』が大谷の成績を並べながら「全くもって非常識」と形容するのも納得だろう。
最終的に大谷とジャッジ、どちらがMVPを獲得するのかは分からない。いずれにせよ、今季の大谷も2年連続で戴冠しても不思議はないはずである。
構成●THE DIGEST編集部
【関連記事】「ジャッジは甘い球が多いから打てる」は誤り。他の誰よりも“誤審”と戦いながら三冠王も狙う凄み
【関連記事】大谷翔平はノーヒットノーランならず。それでも米メディアは「地球最高のアスリート」「信じられない」と総立ち!
【関連記事】「あと1アウトだったのに」大谷翔平のノーノ―失敗に米記者から落胆の声も。しかし、「地球上で最も偉大なアスリート」と賛辞相次ぐ
ロサンゼルス・エンジェルスの大谷翔平は現地時間9月29日、本拠地で行われたオークランド・アスレティックス戦に「3番・投手&DH」で先発出場すると、8回2死までノーヒットノーランを継続する圧巻の投球。最終的に8回2安打無失点、1四球10奪三振で15勝目を挙げ、打っても自己最長の14試合連続安打まで記録を更新している。
【動画】あわやノーヒッター! 大谷翔平、圧巻の10奪三振をチェック
この日は初回先頭に四球を出したものの、3番を併殺に打ち取って三者凡退。その後は「人生でこんなに投げたことのない」スライダーを多投して相手打線の狙いを狂わせ、8回も2人の打者を簡単に打ち取った。しかし、6番にカウント1―2からスライダーを合わせられて内野安打を許し、快挙は幻に終わった。
試合前までの段階で規定投球回に9イニングまで迫っており、「ノーヒットノーラン達成でW規定クリア」というシナリオは多くのファンにもよぎっただろうが、規定投球回到達はシーズン最終戦に持ち越しとなった。それでも、試合後に大谷が「今年の方が全体的な数字もいいです」と語るように、今季の大谷は満票でMVPを受賞した昨季を上回る成績を残しているのだ。
<2021年と2022年の成績推移>
【打率】.259(45位)→.275(25位)
【本塁打】46本(3位)→35本(4位)
【打点】100(13位)→94(6位)
【OPS】.964(2位)→.887(4位)
【勝利】9勝(55位)→15勝(3位)
【防御率】3.18(―)→2.35(4位)
【奪三振】156(42位)→213(3位)
【投球回】130.1(78位)→161.0(21位)
【奪三振率】10.77(―)→11.91(1位)
今シーズンからMLBでは“飛ばないボール”が導入され、球界全体で打低傾向となっている。だからこそ、そんな環境にあってア・リーグ記録に並ぶ61本塁打を放っているアーロン・ジャッジ(ヤンキース)の傑出ぶりは凄まじいわけだが、“打者・大谷”も十分に好成績を残している。
本塁打王に2本差まで迫る46発を放った昨季と比較して成績が下がっているとの声もあるが、35本塁打、OPS.887はともにリーグ4位と、今季も球界屈指のスラッガーとしての立ち位置を維持。実は、昨年の大谷の打率.259はMVP受賞者としては歴代最低の数字だったのだが、今季は自己最長の14試合連続安打を記録するなど率も向上。リーグ25位は決して高いとは言えないけれども、成長の跡を見せている。
とはいえ、驚異的なのはやはりピッチングだ。昨季は後半戦から徐々に調子を上げていたが、今季は“投手・大谷”が開幕から好調。スライダーの改良、シーズン途中からは新球シンカーも導入して確実な進化を遂げ、長いイニングをこなしながらも失点を抑え、2ケタ奪三振の試合も昨季の4から10試合まで増えている。
ベーブ・ルース以来104年ぶりの「2桁本塁打&2桁勝利」はもはや通過点に過ぎず、15勝はリーグ3位、防御率2.35は4位、213奪三振も3位と、サイ・ヤング賞候補にも上がる堂々の数字を残しているのだ。
「本塁打数リーグ4位、防御率もリーグ4位」――昨シーズンの大谷も、マンガで描くにしても“やりすぎ”と言われるレベルだったが、W規定を目前に迫った今季はより一層、理解できない存在へと昇華。データ分析会社『Codify』が大谷の成績を並べながら「全くもって非常識」と形容するのも納得だろう。
最終的に大谷とジャッジ、どちらがMVPを獲得するのかは分からない。いずれにせよ、今季の大谷も2年連続で戴冠しても不思議はないはずである。
構成●THE DIGEST編集部
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