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MLB

驚異の奪三振率で異彩! 日本からの“逆輸入”で覚醒した元虎守護神スアレスを米記者も絶賛「契約した恩恵だ」

THE DIGEST編集部

2022.10.14

ドジャース打線にも堂々たるピッチングを披露したスアレス。その貫禄のパフォーマンスに賛辞は鳴りやまない。(C)Getty Images

ドジャース打線にも堂々たるピッチングを披露したスアレス。その貫禄のパフォーマンスに賛辞は鳴りやまない。(C)Getty Images

 与えられた役割は「守護神」ではない。それでもロベルト・スアレス(サンディエゴ・パドレス)は流れが相手に傾きかねない窮地でマウンドに立つやいなや、強力打線を力でねじ伏せた。

 現地10月12日に行なわれた現地10月12日、ナショナル・リーグ地区シリーズ第2戦、ロサンゼルス・ドジャース対サンディエゴ・パドレスの一戦は熾烈な攻防戦となった。そのなかで、今季にMLBデビューを飾った元阪神タイガースの守護神でもあるスアレスに出番が回ってきたのは、6回裏無死一、三塁のピンチだった。

 先発のダルビッシュ有がドジャース打線に捕まり、ヒット一本で同点とされ、流れは大きくホームチームに傾いていく絶体絶命のピンチで送り出されたスアレス。それでも31歳の“オールドルーキー”は、クレバーな投球を見せつける。

 まず、先頭の5番ジャスティン・ターナーを101マイル(約162.5キロ)のシンカーで空振り三振に仕留めると、続くギャビン・ラックスは意表を突くチェンジアップで併殺打に。なんと、わずか12球で反撃の芽をつんでみせたのだ。
 
 続く7回も12球でドジャース打線を無失点に抑えた。そんなスアレスには、このポストシーズン2勝目を挙げたダルビッシュも「すごいなと思って。ターナーを三振に抑えた時点ですごいなと思いましたけども、ラックスも足が速いですし、ダブルプレーもなかなか難しいところで。しっかりアウトをとったので、本当にすごいと思いました」と、ただただ脱帽するばかりだった。

 結局、ピンチを凌いだパドレスは5対3で今シリーズ初勝利を飾った。間違いなくその勝利を手繰り寄せたのは、ボブ・メルビン監督が「本当に重要な役割を担っている」を称えたスアレスの“神救援”だったのは言うまでもない。

 もっとも、この活躍も当然と言えば当然ではある。なにせ、彼は9月から無失点投球を続けているからだ。以下は、9月以降の主な投球成績である。

登板:13
防御率:0.00
奪三振数:21
奪三振率:14.17
FIP:1.31

 阪神時代に見せていた圧倒的なパフォーマンスを、世界最高峰の舞台で実現させる。まさに圧巻の一語であるスアレスの投球には現地記者も驚きを隠さない。アジア球界にも造詣が深いキム・スンミン記者は「スアレスは日本へ行って球速が上がり、阪神の絶対的なリリーバーとなった。パドレスはそんな彼をスカウトし、契約した恩恵を受けている」と指摘。そして、「パドレスはジョンソン、マルティネスも含めてアジアから才能ある選手に投資してきたが、みんなが役に立っている」と称えた。

 快進撃を続けるパドレスにあって、欠かせないリリーバーとなったスアレス。そのピッチングは“野球の本場”をも虜にしている。

構成●THE DIGEST編集部

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