いったいどちらが“最も価値のある男”なのか――。間違いなく球史に残るであろう今季のアメリカン・リーグのMVPレースは白熱の一途を辿っている。
いま世間が「一騎打ち」と見るレースの主役となっているのは、アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)だ。前者は往年の大打者ロジャー・マリスが61年前に記録したア・リーグ年間本塁打数(61本)に並んだ“怪物スラッガー”。一方で後者もベーブ・ルース以来104年ぶりとなる「2桁勝利&2桁本塁打」の偉業をやってのけた二刀流の偉才である。
どちらも稀有な記録を球史に刻んだ。その活躍は文字通りヒストリカルだと言っていい。だからこそ、MVPは甲乙がつけがたく、その争いを巡ってはファンや記者、識者の間でも様々な意見が論じられている。
あらゆる議論が交わされるなかで「ジャッジ優位」を訴えたのは、サンフランシスコ・ジャイアンツのGMを務めるファーハン・ザイディ氏だ。
昨シーズンに年間最優秀エグゼクティブ賞に輝くなど、鵜の目鷹の目の業界にあって指折りの実績を持つ同氏は、地元ラジオ局『KNBR 680』の番組「Tolbert&Copes」に出演。そこで「もしも、ジャッジがあれだけの歴史的なシーズンを送ってなかったら(大谷のMVPを)考慮するかもしれない」とし、次のように持論を説いた。
「僕としては、優勝候補のチームでプレーしていないなら、それはMVPとしてはほとんど失格だと思うんだ。もちろん、必ずしもプレーオフに進出するチームに所属している必要はない。だけど、優勝を争うチームで、より“意味のある試合”をしていることは重要だ」
やはり地区優勝を果たしたヤンキースと、首位から31ゲーム差をつけられたエンジェルスの現状がMVPに影響をもたらすと見るザイディ氏。さらに「優勝争いから脱落したチームと、優勝やプレーオフ進出を争うチームの試合はリンゴとオレンジのようなものだ(全く別物を意味する表現)」と断言。そして、こう続けてみせる。
「実際問題、優勝争いにいない選手と優勝争いをしている選手とではプレー環境が全く違う。もちろんそれはオオタニだけのせいではないけどね。私にとって『MVP』は、単なる個人のパフォーマンスではなく、その年のチームの順位やリーグ全体の物語に影響を与えたパフォーマンスこそが値するものなんだ。その点で見ても今年はジャッジだ」
慎重に言葉を紡いだザイディ氏。球界屈指の敏腕GMですらも悩ませるのだからジャッジと大谷の争いは稀有だと言えそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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どちらも稀有な記録を球史に刻んだ。その活躍は文字通りヒストリカルだと言っていい。だからこそ、MVPは甲乙がつけがたく、その争いを巡ってはファンや記者、識者の間でも様々な意見が論じられている。
あらゆる議論が交わされるなかで「ジャッジ優位」を訴えたのは、サンフランシスコ・ジャイアンツのGMを務めるファーハン・ザイディ氏だ。
昨シーズンに年間最優秀エグゼクティブ賞に輝くなど、鵜の目鷹の目の業界にあって指折りの実績を持つ同氏は、地元ラジオ局『KNBR 680』の番組「Tolbert&Copes」に出演。そこで「もしも、ジャッジがあれだけの歴史的なシーズンを送ってなかったら(大谷のMVPを)考慮するかもしれない」とし、次のように持論を説いた。
「僕としては、優勝候補のチームでプレーしていないなら、それはMVPとしてはほとんど失格だと思うんだ。もちろん、必ずしもプレーオフに進出するチームに所属している必要はない。だけど、優勝を争うチームで、より“意味のある試合”をしていることは重要だ」
やはり地区優勝を果たしたヤンキースと、首位から31ゲーム差をつけられたエンジェルスの現状がMVPに影響をもたらすと見るザイディ氏。さらに「優勝争いから脱落したチームと、優勝やプレーオフ進出を争うチームの試合はリンゴとオレンジのようなものだ(全く別物を意味する表現)」と断言。そして、こう続けてみせる。
「実際問題、優勝争いにいない選手と優勝争いをしている選手とではプレー環境が全く違う。もちろんそれはオオタニだけのせいではないけどね。私にとって『MVP』は、単なる個人のパフォーマンスではなく、その年のチームの順位やリーグ全体の物語に影響を与えたパフォーマンスこそが値するものなんだ。その点で見ても今年はジャッジだ」
慎重に言葉を紡いだザイディ氏。球界屈指の敏腕GMですらも悩ませるのだからジャッジと大谷の争いは稀有だと言えそうだ。
構成●THE DIGEST編集部
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