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プロ野球

【2022ドラフト展望|ソフトバンク】1位指名公言のイヒネは「次代のスター候補狙い」の方針に合致。“千賀2世”と呼べる投手も欲しい<SLUGGER>

やまけん

2022.10.17

ナイジェリア人の両親を持つイヒネは、パワー、俊足、強肩を兼ね備える。その素質はNPBだけでなくMLBからも注目されていた。写真:西尾典文

ナイジェリア人の両親を持つイヒネは、パワー、俊足、強肩を兼ね備える。その素質はNPBだけでなくMLBからも注目されていた。写真:西尾典文

 10月20日に行なわれるプロ野球ドラフト会議。各チームの育成状況や弱点を踏まえた上で、「誰を指名するか」ではなく「誰を指名するべきか」という観点からドラフトを展望する。今回はすでに1位指名を公表しているソフトバンクを見ていく。

【指名方針】
将来性重視

【補強ポイント】
・スター性のある野手
・“千賀2世”と呼べそうなスケールの大きい投手
・隠れたリリーフエース候補

 今季は藤本博史新監督の下、序盤からパ・リーグの優勝争いをリードするも、最終143試合目でオリックスに大逆転優勝を許す形となってしまった。それでも戦力は充実しており、若手の台頭も著しい。

 生え抜きでチームの顔でもあったベテラン松田宣浩の退団、明石健志の引退が発表されたが、これは世代交代がうまく進んでいる証とも言える。投手陣も、規定投球回に達したのはエースの千賀滉大のみだが、先発・リリーフ問わず新陳代謝を図りながら盤石の体制を構築している。

 現チームの強みに挙げられるのが、牧原大成、三森大貴、周東佑京、そしてルーキーの野村勇など、ユーティリティ・プレーヤーが豊富な点だ。チーム状況に応じて複数のポジションを守りながら、打席でも結果を残せる選手が揃っており、戦力に大きな穴があくことが少ない。編成の観点からも、こうした「計算の立つ」選手がいるおかげで、思いきりのあるドラフト、育成プランを描ける。彼らが一軍を固めているうちに、次の時代を担うスター候補を確保したいところだ。
 
 すでに1位指名を公言しているイヒネ・イツア(誉)は、その条件にぴったり当てはまる。甲子園出場こそないが、184cm・83kgの体格に身体能力の高さ、高校通算18本塁打を記録する打力など、さまざまな魅力にあふれた選手だ。時間はかかるかもしれないが、将来的には今宮健太の後継者に収まらない「世界水準のショート」に成長する姿に期待したい。

 また、投手ではブルペンにさらなる厚みを持たせつつ、昨年ドラフト1位の風間球打らと競わせられるスケールの大きい投手を狙いたい。189cmの長身から最速152キロを計測する赤羽蓮(霞ヶ浦高)はまさに適任といえる。

 今夏は茨城県大会で1.2回のみの登板に終わったが、制球が乱れることなく150キロ台を連発していた姿は衝撃的だった。波が激しく、球団によって評価は分かれそうだが、育成の時間に猶予のあるソフトバンクにはまさにハマりそうなタイプだ。

 また、個人的に見てみたいのが、高坂綾(千葉経済大)。全国的には無名な存在だが、複数の軌道を持つカットボールを操る投球術が光る右腕。現段階で最速は150キロだが、ソフトバンクが得意とする“魔改造”に成功すれば変化球もさらに脅威を増し、今季ブレイクした藤井皓哉のような存在になってもおかしくない。

【理想の指名】
1位:イヒネ・イツア(内野手/誉高)
4位:赤羽蓮(投手/霞ヶ浦高)
5位:高坂綾(投手/千葉経済大)

文●やまけん

【著者プロフィール】
1999年生まれ、千葉県出身。「一人でも多くのアマチュア野球選手がスポットライトを浴びてほしい」という思いから、関東を中心に全国のアマチュア野球の試合を年間約150試合を球場で観戦するアマチュア野球観戦者。Twitter→@yam_ak_en

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