日米両球界に小さくない娯楽をもたらした賞レースは小さくない驚きを提供した。
現地時間11月17日、ア・リーグMVP投票の結果が発表され、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)が1位票を28も集めて初の栄冠を手にした。一方で昨季に満票で同賞を手にしていた大谷翔平(エンジェルス)は2位にとどまった。
ジャッジの"戴冠"自体に驚きはない。なにせヤンキースの主砲はレギュラーシーズンにリーグ新記録となる62本塁打を放っただけでなく、131打点、出塁率.425、長打率.686、そしてOPS1.111と、打者としては際立ったアベレージをマーク。独走状態で地区優勝を飾った名門牽引しながら、とにかく打ちまくったのである。
ではこのMVP争いにおいて、何が「驚き」となって話題となっているのか。それは投票内容だ。
周知の通り、MLBのMVPは全米野球記者協会の30人の投票によって決まる。今季はア・リーグの受賞者となったジャッジに「28」もの1位票が投じられ、大谷はわずかに「2」。それもロサンゼルスの支部に属している記者によるものだった。
事前の下馬評でもジャッジ優位の向きは強かった。しかし、史上初の「投打でのダブル規定到達」の快挙を成し遂げた大谷を推す声もファンや一部の識者間で根強かったために、あまりの"大差"は波紋を広げたのである。
そうしたなかで「オオタニの価値はいまだ底知れない」と訴えたのは、米老舗スポーツメディア『Bleacher Report』だ。
今回のMVP発表前に行なった独自の格付けランクで大谷を2位としていた彼らは、歴史的な猛打を見せたジャッジのMVPが「十分に値する」と断言。そのうえで、「満場一致での受賞も予想されたなかで、2つも1位票が入ったことは、むしろオオタニの価値がメジャーリーガーのなかで底知れないものであると認められたとも読み取れる」と論じている。
さらに大谷が残した過去2シーズンの投打の成績から「ジャスティン・バーランダーとバスター・ポージーが混ざったような選手である。そんなこと馬鹿げているだろう」と強調した同メディアは、「今の彼に注目しないことは文字通り不可能だ」とし、この先のMVP再受賞の可能性を説いた。
「もちろんMVPにはなれるだろう。しかし、それはエンジェルスがオオタニを中心に、より競争力のあるチームを作れるか次第だ。そしてWARの問題はMLBが『オオタニルール』を生み出した時と同様に新たな指標を生み出されるか次第だろう。
とにかく彼の価値については、直感的に『一番良いんだ』ということにしておこう。オオタニは、毎シーズンのようにMVPになるのは難しいかもしれないが、どの瞬間だろうと大きな注目に値する最高の選手であることに変わりはない」
MVPを逃してもなお、米メディアで話題となる。その事実こそが、二刀流の認知が広まっている証と言えるかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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現地時間11月17日、ア・リーグMVP投票の結果が発表され、アーロン・ジャッジ(ヤンキース)が1位票を28も集めて初の栄冠を手にした。一方で昨季に満票で同賞を手にしていた大谷翔平(エンジェルス)は2位にとどまった。
ジャッジの"戴冠"自体に驚きはない。なにせヤンキースの主砲はレギュラーシーズンにリーグ新記録となる62本塁打を放っただけでなく、131打点、出塁率.425、長打率.686、そしてOPS1.111と、打者としては際立ったアベレージをマーク。独走状態で地区優勝を飾った名門牽引しながら、とにかく打ちまくったのである。
ではこのMVP争いにおいて、何が「驚き」となって話題となっているのか。それは投票内容だ。
周知の通り、MLBのMVPは全米野球記者協会の30人の投票によって決まる。今季はア・リーグの受賞者となったジャッジに「28」もの1位票が投じられ、大谷はわずかに「2」。それもロサンゼルスの支部に属している記者によるものだった。
事前の下馬評でもジャッジ優位の向きは強かった。しかし、史上初の「投打でのダブル規定到達」の快挙を成し遂げた大谷を推す声もファンや一部の識者間で根強かったために、あまりの"大差"は波紋を広げたのである。
そうしたなかで「オオタニの価値はいまだ底知れない」と訴えたのは、米老舗スポーツメディア『Bleacher Report』だ。
今回のMVP発表前に行なった独自の格付けランクで大谷を2位としていた彼らは、歴史的な猛打を見せたジャッジのMVPが「十分に値する」と断言。そのうえで、「満場一致での受賞も予想されたなかで、2つも1位票が入ったことは、むしろオオタニの価値がメジャーリーガーのなかで底知れないものであると認められたとも読み取れる」と論じている。
さらに大谷が残した過去2シーズンの投打の成績から「ジャスティン・バーランダーとバスター・ポージーが混ざったような選手である。そんなこと馬鹿げているだろう」と強調した同メディアは、「今の彼に注目しないことは文字通り不可能だ」とし、この先のMVP再受賞の可能性を説いた。
「もちろんMVPにはなれるだろう。しかし、それはエンジェルスがオオタニを中心に、より競争力のあるチームを作れるか次第だ。そしてWARの問題はMLBが『オオタニルール』を生み出した時と同様に新たな指標を生み出されるか次第だろう。
とにかく彼の価値については、直感的に『一番良いんだ』ということにしておこう。オオタニは、毎シーズンのようにMVPになるのは難しいかもしれないが、どの瞬間だろうと大きな注目に値する最高の選手であることに変わりはない」
MVPを逃してもなお、米メディアで話題となる。その事実こそが、二刀流の認知が広まっている証と言えるかもしれない。
構成●THE DIGEST編集部
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