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MLB

3年前にMVPとなったベリンジャーがまさかの“自由契約”。日本の常識では想像しにくいノンテンダーとなった背景<SLUGGER>

THE DIGEST編集部

2022.11.21

ドジャースでMVPを手にしたベリンジャー。球界屈指のポテンシャルを持つスラッガーだったが、ここ最近の不振から「ノンテンダー」となった。(C)Getty Images

ドジャースでMVPを手にしたベリンジャー。球界屈指のポテンシャルを持つスラッガーだったが、ここ最近の不振から「ノンテンダー」となった。(C)Getty Images

 現地時間11月18日、2019年にナショナル・リーグのMVPに輝いたロサンゼルス・ドジャースのスラッガー、コディ・ベリンジャーが「ノンテンダー」となって波紋を呼んでいる。

 ベリンジャーと言えば、つい最近までMLBを代表する若手スター選手としての地位を確立していた。メジャーデビューした2017年にいきなりナ・リーグ新人記録(当時)の39本塁打を放って新人王を獲得。19年には打率.305、47本塁打、115打点、OPS1.035の好成績を収めてMVPを受賞した。

 しかし、翌年から3年続けて成績が急降下。21年は95試合で打率.165、10本塁打、そして今季は144試合で打率.210、19本塁打と振るわず……。いつしか打順は8番や9番にまで下がり、プレーオフでも先発を外れる試合が多かった。

 とはいえ、いまだ27歳で、巻き返す可能性はまだ十分あるようにも思える。にもかかわらず、ベリンジャーはなぜ「ノンテンダー」となったのか。これには、MLB独特の年俸調停制度が大きく関係している。
 
 日本でも徐々に浸透しつつある「ノンテンダー」は、そのまま訳せば、「契約を提示(tender)しないこと」で、MLBでは年俸調停権を持つ選手に対して来季の契約をオファーしないことを指す。提示された選手はフリーエージェント(FA)となり、どのチームとも自由に交渉できる。日本風に言えば「自由契約」に近い措置と言っていい。18日は年俸調停権を持つ選手に契約を提示するデッドラインで、80人近い選手がノンテンダーとなった。

 日本の場合、ベリンジャーのように3年続けてここまで成績が悪化したら契約更改で大幅ダウンを提示される。だがMLBでは、年俸調停権を持つ選手に契約を提示する=年俸増額を認めることを意味する。年俸調停権を持たない1年目~3年目の選手はどんなに活躍しても大幅昇給を望めない代わりに、ひとたび調停権を取得すればFAまでは基本的に年俸は右肩上がり。良し悪しは別として、そういうシステムになっている。

 上述したように、21年のベリンジャーは95試合で打率.165、10本塁打と散々な成績に終わったが、年俸は1150万ドルから1610万ドルに上昇していた。そしてこのオフも、同じように昇給する見込みだった。『MLB Trade Rumors』の予想では1810万ドル。日本円にして約25.3億円で、「これはさすがに高すぎる」。ドジャースはそう判断してノンテンダーとしたのだ。
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