ただ、注意しておかなければならないのは、これでドジャース退団が決まったわけではない、ということだ。ドジャースはベリンジャーをクビにしたかったわけではない。1810万ドルは高すぎると判断しただけで、もっと安い額で改めて再契約したいと考えている。
もっとも、FAとなった今後は他球団との競争になる。鈴木誠也が所属するシカゴ・カブスやドジャースの宿敵でもあるサンフランシスコ・ジャイアンツ、さらにボストン・レッドソックス、タンパベイ・レイズ、トロント・ブルージェイズなどベリンジャー獲得に興味を示すとみられる球団は数多い。パワーと好守を備えた27歳のセンターは、それだけで希少価値。ここ数年は不振とは言え、MVP受賞歴もあるとならばなおさらだ。
つまるところ、ベリンジャーをノンテンダーにするというドジャースの決断は、端的に「妥当な年俸がいくらか」を巡る問題だったと言ってもいい。選手側もそれはよく分かっているからこそ、球団側に対して怒りを抱くようなこともない。
日本の常識では想像しにくい「27歳の元MVPのノンテンダー」。その裏には、こんな背景があるのだ。
構成●SLUGGER編集部
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