MLB

「40本塁打、110打点」「16勝だ」来日したエ軍番記者が大谷翔平の2023年成績を大予想!<SLUGGER>

SLUGGER編集部

2022.11.27

『SHO-TIME』日本語版と原書を手に写真撮影に応じるフレッチャー。日本ではすでに4万5000部が売れているという。写真:SLUGGER編集部

 今年7月に発売された書籍『SHO-TIME 大谷翔平 メジャー120年の歴史を変えた男』(徳間書店)の著者ジェフ・フレッチャー氏が26日、都内でトークショーに出演。集まった約100人のファンと語らった。

 フレッチャー氏は、米紙『Orange County Register』紙で10年以上もエンジェルスのビートライターを務めるベテラン記者。2018年の入団から現在までずっと大谷を間近で見守り続けている、アメリカ人記者では唯一と言っていい存在だ。

 その名物記者が、18年の入団からMVPを獲得した2021年シーズンまでの1460日の密着取材の成果をまとめたのが『SHO-TIME』だ。同書は発売当初から大きな注目を受け、日本ではすでに4万5000部の大ヒットとなっている。今回のトークショーも、告知してからたった2時間で100人の定員があっという間に埋まったという。

 トークショーではまず最初に、『SHO-TIME』発刊までの経緯が語られた。

「大谷は18年に渡米した時から、すでに日本のスター選手だったから、いずれ本を出せると確信していた。ずっと構想は温めていたんだけど、大谷のヒジの故障などでしばらく止まっていた。でも、21年に大谷が完全復活したことで、この本の話も"復活"して、晴れて刊行できるようになったんだよ」

 日米で同時発売された本書は、日本だけでなくアメリカでも大きな反響があるという。「エンジェル・スタジアムでもサイン会をやったんだけど、長蛇の列ができていたよ。それだけ、大谷への注目度がアメリカでも高いということだね」と、改めて大谷の影響力の大きさを強調していた。
 
 さらに、話題は22年シーズンにも及んだ。今季の大谷の最大の評価ポイントを問われたフレッチャー氏は「やっぱり今季はピッチングの進化が一番素晴らしかったね」と回答。そして、次のように続けた。

「(8月から本格的に使い始めた)2シームは、普通の投手よりもスピードが速いから捉えにくい。メジャーの投手は本来、球種のレパートリーをシーズン中は変えたがらないものだけど、あえてシーズン中に新しい球種を導入して、しかもそれをメジャーで通用するレベルにまで高めたのは、大谷の凄さだよね」

"二刀流"の完成度をさらに高めた大谷について、フレッチャー氏は23年の成績をかなり具体的に予測。いわく、「打撃では打率.275、40本塁打、110打点。ピッチングは16勝、防御率2.50」。今季はアーロン・ジャッジ(ヤンキース)にさらわれたMVPについても、「同じような活躍ができれば、来年こそ受賞できる」と力強く語った。

 来季に向けたエンジェルスのオフの補強についても語られた。いわく、今オフの補強ポイントは「やっぱり打線。1番から9番まで、どこからでも点が取れるようにしなければならない」と強調。このオフにエンジェルスが補強した昨季29本塁打の外野手ハンター・レンフローらには、「打線を強化する存在として期待したい」と言う。

 トークショーの後は質問コーナーが設けられ、「来季からはピッチクロック(投球間隔に制限時間を設ける新ルール)が導入されるが投球の間合いが長い大谷には、やはり大きな影響があるのではないか?」といったディープな問いも投げかけられた。

 これに対して同氏は、「確かに大谷は投球間隔が長い。でも、春季キャンプなどで対応できるようにしっかり準備してくれると僕は信じているよ」と回答。「守備シフト禁止などでむしろ打撃成績は向上するのではないか」とも付け加え、来季の活躍に期待を持たせた。

「ドウモ、アリガトウ」と日本語でトークショーを締めた後も、プレゼント抽選会やサイン会などでファンと存分に交流したフレッチャー氏。できれば"大谷本"第2弾を出したいとも語っており、彼がどのような筆致で再び大谷を描くのかにも注目したい。

構成●SLUGGER編集部
NEXT
PAGE
【動画】大谷の「シーズン途中の進化」を支えた100マイルの2シーム