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プロ野球

新庄はまさかの…? 沢村賞受賞にもかかわらず逃した投手は? 新人王7つのトリビア

2019.11.29

現役復帰宣言で話題沸騰中の新庄は、かつてわずか5票差で新人王を逃している。(C)GettyImages

現役復帰宣言で話題沸騰中の新庄は、かつてわずか5票差で新人王を逃している。(C)GettyImages

▼新人王を最も多く輩出している球団は?

 正解は巨人で、これまでに19人も輩出している。58年の長嶋茂雄をはじめとして、高田繁、原辰徳ら、人気と実力を兼ね備えた大卒の“プリンス”が多いのも特徴だ。

 2位は西武の14人。前身の西鉄時代は中西太、豊田泰光、稲尾和久、池永正明と5人も高卒新人王を輩出。西武になってからも清原和博、松坂大輔など、巨人とは対照的に高卒ルーキーが多い。

 楽天が参入して現行の12球団となった2005年以降では、巨人と日本ハムの4人が最も多い。逆に最も少ないのはオリックス、中日、ソフトバンクで、それぞれ1人だけ。選手層の厚いイメージがあるソフトバンクだが、受賞したのは09年の摂津正の1人のみなのは意外だった。

▼キューバリーグ出身でも投票は可能?

 新人王資格の規定では「海外のプロリーグに参加した経験がない選手」が対象。そのため、アマチュア出身なら外国人選手も対象となる。かつてはロサンゼルス五輪で台湾代表として活躍し、日本球界入りした郭泰源や荘勝雄にも票が入った。

 また、実はキューバ国内リーグは「海外プロリーグ」の対象外。キューバは社会主義国なので、国内リーグでプレーする選手はプロではなくアマチュア、ということらしい。

 さすがにこれまで新人王になった選手はいないが、14年にDeNAでプレーした「キューバの至宝」ユリ・グリエル(現アストロズ)は、その年の新人王投票で1票入っているし、昨年も、同じくキューバ出身のジュリスベル・グラシアル(ソフトバンク)にも1票投じられている。
 
▼前年に全試合出場して次の年に新人王?

 現在は、「前年までに通算60打席以内」の打者しか新人王の対象にはなれない。だが、前年に全試合出場して497打席に立ちながら、2年目に新人王を獲得した選手がいる。1951年の蔭山和夫(南海)だ。これはまだパ・リーグ結成から日が浅く、前年に新人だった選手にも新人王資格が与えられたためだ。

 ただ不思議なのは、この年は2年目でブレイクし、見事最優秀防御率を獲得した服部武夫(南海)という、いかにも新人王にふさわしい選手がいたことだ(しかも服部は、1年目は15.0イニングしか投げていない)。対して蔭山はこの年、打率こそリーグ2位だが無冠。なぜ蔭山が選ばれたのだろう……?

▼新人で沢村賞受賞!……なのに新人王は獲れない!?

 新人ながら沢村賞に輝いたゴールデンルーキーは6人いる。そのうち5人はもちろん新人王も受賞しているのだが、1人だけ新人王を獲れなかった男がいる。59年の村山実(阪神)だ。

 村山はこの年、防御率1.19で最優秀防御率のタイトルを獲得。18勝はリーグ5位タイ、294奪三振もリーグ2位と新人離れした大活躍で沢村賞を受賞したのだが、肝心の新人王はホームラン王を獲得した桑田武(大洋)に譲った。確かに桑田が記録した31本塁打は、88年の清原和博(当時・西武)と並ぶ新人最多記録ではあったが、現代の感覚からすると数字上のインパクトは村山の方が上に思える。村山は、この時からすでに“悲運のエース”だったのかもしれない。
 

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