「韓国球界の二冠王で、MVPを取った男がやってくる」。21年に阪神入団を果たしたメル・ロハスJr.には、間違いなく高い期待値があった。彼ならば、絶対的な長距離砲の不在に泣かされてきた猛攻を救う助っ人になると――。
【動画】打った瞬間に確信した特大弾! 球場を沸かせたロハスJr.の一発をチェック
しかし、終わってみれば、ロハスJr.も淡い期待を抱いた“虎党”たちを納得させる打棒は見せられなかった。コロナ禍での入国規制によって合流が遅れた1年目は大目に見るとして、何よりも目に見える結果が求められる2年目が最悪だった。2軍との行き来を繰り返しながら1軍で89試合に出場するも、打率.224、長打率.410、9本塁打とことごとく精彩を欠いた。
8月に月間打率.328、OPS.974(出塁率.400+長打率.574)とかすかに浮上の兆しを見せたが、9月にふたたび打撃成績は低迷。結局、シーズン終了後の10月に契約満了に伴う退団が決定した。推定年俸2億6000万円という高額契約もあって、不安定なパフォーマンスに終始した2年間への失望は小さくない。
フリーエージェントとなった32歳のドミニカンは、退団後に母国のウインターリーグに参戦。新天地を模索するためにアピールを続けている。一部メディアではキャリアの全盛を極めたKBOリーグに復帰するのではないかという報道もなされているが、韓国国内での反応はシビアだ。
スポーツポータルサイト『SPOTV News』は「KBOのMVP助っ人たちはなぜ失敗するのか」と銘打った特集記事内で、「かつてMVPを手にしたという実績だけでは時代の流れには勝てない。もはや実績云々ではなく、コンディションや技術がかなり劣化しているという評価なのだ」とロハスJr.の現状を手厳しく指摘した。
「彼は21年シーズンの前にKTからの全力の引き留めを断り、阪神からの良い条件を受け入れた。しかし、彼は日本でいばらの道を歩んだ。チームでレギュラーの地位すらも確立できず。案の定、契約更改には至らなかったのだ。
確かにロハスは日本で伸び悩んでいた。だが、韓国と日本の野球のレベルの差と年齢(32歳)を考慮すれば、韓国で再び有力な戦力になる可能性はあった。そして古巣のKTにはロハスを連れ戻すチャンスがあった。だが、彼らはロハスの技術力の低下を見て、ここから成長も見込める29歳のアルフォードとの契約更新を選んだ」
愛着のあった韓国の古巣球団からも三下り半を突き付けられてしまったロハスJr.。日本で成功を掴めなかった男のキャリアは、このまま沈んでいくのだろうか。
構成●THE DIGEST編集部
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確かにロハスは日本で伸び悩んでいた。だが、韓国と日本の野球のレベルの差と年齢(32歳)を考慮すれば、韓国で再び有力な戦力になる可能性はあった。そして古巣のKTにはロハスを連れ戻すチャンスがあった。だが、彼らはロハスの技術力の低下を見て、ここから成長も見込める29歳のアルフォードとの契約更新を選んだ」
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