2022年のスポーツ界で印象的な出来事を『THE DIGEST』のヒット記事で振り返る当企画。今回は、メジャーリーグのアメリカン・リーグMVP争いを取り上げる。
アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)による熾烈を極めたMVP争いは、ジャッジに軍配が上がった。だが、この二人以外に実はもう一人、リーグMVP候補に名を連ねていた人物がいた。
記事初掲載:2022年11月22日
――◆――◆――
去る11月17日、ア・リーグMVP投票の結果が発表され、世間は長らく注目を集めていたアーロン・ジャッジ(ヤンキース)と大谷翔平(エンジェルス)による熾烈を極めた受賞レースの決着を見た。
はたして栄冠に輝いたのは、ジャッジだった。リーグ新記録となる62本塁打を放ったスラッガーは、圧倒的な打力とチームへの貢献度が高く評価され、全米野球記者協会の30人中28人の1位票を獲得。大谷に大差をつける形で「最も価値がある男」として認められた。
無論、本年も例年と同様にMVPの選定にはさまざまな異論が噴出。各国の識者やファンによる意見の大半は、大谷への投票数の少なさだったのだが、そのなかで別の意見を提示したのは、米紙『El Nuevo Herald』だ。フロリダを拠点としながらもラテンアメリカンのためにスペイン語で情報を発信している彼らは、投票結果に熱っぽく持論を示した。
「センセーショナルな活躍を見せた“キューバの怪物”は、もっと票数を与えられてもおかしくはなかった」
彼らの言う「キューバの怪物」とは、今季に世界一に輝いたアストロズの主砲アルバレスを指す。レギュラーシーズンに、打率.306、37本塁打、97打点、長打率.613、OPS1.019というハイアベレージをマーク。指名打者部門では大谷を差し置いてオールスターにも選出された堂々たる活躍を見せていた。
さらにハードヒット率(23.7)でもメジャートップの記録を刻んだ25歳は、総合的な勝利貢献度を示すWARでも、Baseball-Reference版が6.8、FanGraphs版が6.6と、いずれも「打者・大谷」を凌駕。単純にスラッガーとしてのスペックならば、二刀流の偉才にも引けを取らないポテンシャルを発揮していたわけである。
それでもMVPでの1位票はゼロ、さらにトータルの投票ポイントもジャッジと178差をつけられた。そんなアルバレスについて「彼が勝者であることに疑いの余地はない」と強調した同紙は、次のように続けている。
「たしかに指名打者として実績を残した何人かの打者の功績は認める必要はある。しかし、アルバレスほどの打者が他にいるだろうか? エンジェルスのオオタニも投打における活躍は見事だったが、指名打者としての“攻撃性”はアルバレスよりも下だ。多くの選手が彼よりも打撃成績では下だったんだ。アストロズを世界一に導いた貢献度を考えても、アルバレスは間違いなく地球上で最強の左打ちのスラッガーだと言っていい」
もっとも、メジャーで「4番でエース」を体現した大谷が上位にランクされるのは間違いではないだろう。それでも、アストロズの世界一にも貢献した打者に1位票が全くなかったという事実に、納得できないメディアは少なくないようだ。
構成●THE DIGEST編集部
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アーロン・ジャッジ(ニューヨーク・ヤンキース)と大谷翔平(ロサンゼルス・エンジェルス)による熾烈を極めたMVP争いは、ジャッジに軍配が上がった。だが、この二人以外に実はもう一人、リーグMVP候補に名を連ねていた人物がいた。
記事初掲載:2022年11月22日
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去る11月17日、ア・リーグMVP投票の結果が発表され、世間は長らく注目を集めていたアーロン・ジャッジ(ヤンキース)と大谷翔平(エンジェルス)による熾烈を極めた受賞レースの決着を見た。
はたして栄冠に輝いたのは、ジャッジだった。リーグ新記録となる62本塁打を放ったスラッガーは、圧倒的な打力とチームへの貢献度が高く評価され、全米野球記者協会の30人中28人の1位票を獲得。大谷に大差をつける形で「最も価値がある男」として認められた。
無論、本年も例年と同様にMVPの選定にはさまざまな異論が噴出。各国の識者やファンによる意見の大半は、大谷への投票数の少なさだったのだが、そのなかで別の意見を提示したのは、米紙『El Nuevo Herald』だ。フロリダを拠点としながらもラテンアメリカンのためにスペイン語で情報を発信している彼らは、投票結果に熱っぽく持論を示した。
「センセーショナルな活躍を見せた“キューバの怪物”は、もっと票数を与えられてもおかしくはなかった」
彼らの言う「キューバの怪物」とは、今季に世界一に輝いたアストロズの主砲アルバレスを指す。レギュラーシーズンに、打率.306、37本塁打、97打点、長打率.613、OPS1.019というハイアベレージをマーク。指名打者部門では大谷を差し置いてオールスターにも選出された堂々たる活躍を見せていた。
さらにハードヒット率(23.7)でもメジャートップの記録を刻んだ25歳は、総合的な勝利貢献度を示すWARでも、Baseball-Reference版が6.8、FanGraphs版が6.6と、いずれも「打者・大谷」を凌駕。単純にスラッガーとしてのスペックならば、二刀流の偉才にも引けを取らないポテンシャルを発揮していたわけである。
それでもMVPでの1位票はゼロ、さらにトータルの投票ポイントもジャッジと178差をつけられた。そんなアルバレスについて「彼が勝者であることに疑いの余地はない」と強調した同紙は、次のように続けている。
「たしかに指名打者として実績を残した何人かの打者の功績は認める必要はある。しかし、アルバレスほどの打者が他にいるだろうか? エンジェルスのオオタニも投打における活躍は見事だったが、指名打者としての“攻撃性”はアルバレスよりも下だ。多くの選手が彼よりも打撃成績では下だったんだ。アストロズを世界一に導いた貢献度を考えても、アルバレスは間違いなく地球上で最強の左打ちのスラッガーだと言っていい」
もっとも、メジャーで「4番でエース」を体現した大谷が上位にランクされるのは間違いではないだろう。それでも、アストロズの世界一にも貢献した打者に1位票が全くなかったという事実に、納得できないメディアは少なくないようだ。
構成●THE DIGEST編集部
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