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シーズン中にトレードも!? アスレティックス地元紙が説く藤浪晋太郎がメジャーで通用する理由「先発機会を得るのは確実だ」

THE DIGEST編集部

2023.01.19

阪神からメジャーへ鳴り物入りで飛び込んだ藤浪。その契約内容は現地メディアでも注目を集めている。写真:産経新聞

阪神からメジャーへ鳴り物入りで飛び込んだ藤浪。その契約内容は現地メディアでも注目を集めている。写真:産経新聞

「Hi,nice to meet you everyone. I’m Shintaro Fujinami. Please Call me Fuji, like Mt.Fuji.(皆さん、はじめまして。藤浪晋太郎です。富士山と同じようにフジと呼んでください)」

 いわゆる“つかみ”は完璧だった。現地1月17日にオークランド・アスレティックスへの入団会見を行なった藤浪晋太郎の挨拶である。

 ポスティング期限ギリギリまで交渉を重ね、アスレティックス入りを決めた藤浪。その契約内容は1年325万ドル(約4億2000万円)で、ここにポスティング費用の20%にあたる65万ドル(約8400万円)が付帯し、さらにインセンティブ(出来高払い)が支払われる形態となっている。

 オリックスからレッドソックス入りした吉田正尚の5年9000万ドル(約115億2000万円)+譲渡金1537万ドル(約19億6736万円)や、ソフトバンクからメッツ入りした千賀滉大の5年7500万ドル(約89億6000万円)という契約内容と比較すれば、およそビッグディールとは呼べたものではない。ただ、低予算のアスレティックスにおいては上位に入る年俸であり、阪神時代の通算成績が189試合登板(994.1イニング)で57勝(54敗)、1011奪三振、防御率3.41という右腕に対しては“適正価格”と言えるのではないだろうか。

 この契約内容と球団の評価については、地元メディアでもクローズアップされている。
 
 カリフォルニアに拠点を構える日刊紙『Daily Democrat』は、「日本のスターであるフジナミとアスレティックスが完璧にマッチする理由」と銘打った記事を掲載。そのなかで「先発のチャンスを得ることは、彼にとって最重要なことだった」と明かしたデビッド・フォーストGMをはじめとする首脳陣が、藤浪をいかに評価しているかをまとめている。

「日本球界におけるフジナミの先発としての実績、そして近年の課題だった制球力の克服は、トミー・ジョン手術から回復したドルトン・ジェフリーズと、腕の故障によって開幕ローテ入りが不透明なジェームズ・カプリエリアンを抱えるアスレティックスの興味を引いたのである。フォーストは『フジナミが先発する機会を得るのは確実だ』としている」

 たしかに1年契約はシビアではある。結果がでなければ、そのまま解雇の可能性もある。一方で藤浪がアスレティックスの先発ローテーションを守り抜き、ある程度の計算が立てられる投手となれれば、来季以降に2年2000万ドル(約25億6000万円)の高額契約の締結は大いにありえる。

 また、シーズン中にプレーオフ進出を見据えた他球団へのトレードも考えられる。これは将来有望なプロスペクトを手にできる可能性を考えれば、アスレティックスにとっても“ウィンウィン”と言えるだろう。

 はたして、藤浪は球団の期待に応える活躍を見せられるのか。来季以降のキャリアの行方を占う意味でも、29歳の剛腕は“ルーキーイヤー”から結果が求められそうだ。

構成●THE DIGEST編集部

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